都市
街でみかける建物の中には、なんでこんな形してんだ? どうしてこんなところに大きな穴あけんの? 同じ店なのになぜビルを二つに割るか? キリンさんの形にしなきゃならない必然性は? 、と首をかしげざるを得なくなるものがけっこうあるでしょう。じつは、これらの物件、ウケねらいやデザインでやっているわけではないんです。建築法規を頑なに守ったために生まれた形なのです。だから超合法建築、僕に言わせれば建築の順法闘争、法律誉め殺し物件なのです。『超合法建築図鑑』は、都内に存在するこうした77の超合法建築を、法的な補助線を書き入れることにより図解した本邦初の超合法建築物件集です。今日は、その著者に直接お会いして、どうしてこんな面白い本をつくろうと思ったのか聞きたくて、お訪ねしたというわけです。
さて、インタビューの内容は……、9月末発行予定の『 city&life』no.89に掲載しますので、そっちを買って読んでくださいね。
超合法建築図鑑 (建築文化シナジー)階段の定義はなかなかむつかしいらしい。一応、通り抜けできることとか地形に関係のあるものというぐらいを考えていらっしゃるようですが、構築物と一体化したものや、人工物か自然物かがあいまいなものが案外多いという。したがって定義すること自体あまり意味がないだろうと今は思っていらっしゃるとか。話をうかがいながら、かつてINAXギャラリーで「階段物語」をやったことを思い出しました。こっちは、建築物内の階段だったので、分類も蒐集もそんなに大変ではなかったのですが、道路や路地の階段となると、なるほど設計者不祥が大半だし、しょっちゅう作り替えられたりしていて、いざ調べてみると骨が折れるらしい。まぁ、だからこそ深く長く愉しめるものではあるようですが(笑)。
最後に、松本さんが一番キレイだと思っている階段は? と伺うと、「やっぱりきたか」と笑いながら、絶対それ聞かれるんだよねぇと。でも、いつも変わっちゃうんだよ。それでも、ベスト5位までは選んでくれました。それは……、9月発行の『city&life』no.89で読んでくださいね。
それから、階段を一つ見学。六本木通りをはさんで向かい側の通常三角州の角のところに階段があって、松本さんその存在を地図で知っていたのでしたが、未見だったとのこと。さっそく歩いて5分、見に行きました。いつのまにか手すりもついていて、それも壊れている! しかも、おもいっきし逆光。ところで、この階段のとなりの古いビル、今はクラブになっていますが、60年代にはあの天井桟敷があったところなのです。「ここがロドスだ、ここで跳べ」なんて落書きがあって、羽仁進や大島渚の映画にもしばしば登場したところでした。われわれは、あきらめて氷川神社へ。この参道の石段に階段研究者を立たせて撮るのは面白いよね、と編集者の斎藤夕子さん。この方、いつもこんな具合にナイスなアイデアを出すんで、ついぼくも調子にのってしまうのです。もちろん、ポートレイトはバッチリうまく撮れました。
東京の階段?都市の「異空間」階段の楽しみ方渡さんは、環境デザイン、サイトプランニングがご専門。ジム・ヴァンダーリンの「アーバン・エコトーン」の紹介者でもあります。吉祥寺にこのアーバン・エコトーンをあてはめてみると、みごとにそこによりよい街の遺伝子が散見できたのです。よりよい街の遺伝子とは、過去に遡って生態学的にいい街といわれていた街の条件や特質のことです。最近注目されているニューアーバニズムのモデルであるいわゆる「old town」の条件が、吉祥寺にはみんな揃っているということがわかったのです。もちろんここでいう生態学とは、手あかのついたエコロジーという意味だけではなく、ギブソンのアフォーダンス(エコロジカル・サイコロジー)やガタリのエコゾフィーの意味も含んでいるものです。
私見ですが、吉祥寺はたまたま奇跡的にうまく当てはまったともいえます。どのまちにも応用できるというものではないでしょうし、まして、それを計画的につくりだすというのは用意ではありません。それこそ奇跡でもおこらないとムリなような気はするのですが、そこで地団駄を踏んでいてもしょうがありません。渡さんも、次なる吉祥寺をすでに発見して、プロジェクトを初めておられるようです。ぼくらも、頑張って、街のよりよい遺伝子探しに出発しましょう。
吉祥寺スタイル?楽しい街の50の秘密ところで、谷中というとすぐに雑誌『谷根千』が頭に浮かぶ人は多いに違いない。地域雑誌の草分け的存在として、すでに20年以上の歴史をもつ。この『谷根千』じつは、来年休刊になるのだそうだ。創刊号からの愛読者だった坂部さん、非常に残念がって、『谷根千』関係でひとつ何かやってみようと思い立ち、ぼくのところにご連絡をくれたというわけ。
ぼくも、今から4年前、芸大の片山和俊教授、慶応大学(当時)の日端康雄教授、「谷中学校」運営お助け人椎原晶子さんと、「谷中」まち歩きをした。生活と観光を両立させ、地域資源として育てていくことは可能か、というちょっと高邁なテーマを掲げて、墓地から墓地へ、路地から路地へと歩き回ったのだった。
そんなわけで「谷中」とは、ぼくもちょっぴり関わりをもっている。坂部さんの話が面白くないわけがない。すぐに、「ぼくでできることなら協力しますよ」と二つ返事。それで、話はとんとん拍子で進んでいき……、おっと失礼、これはまだナイショでした。とにかく、坂部さんに、何かをやってもらうことになったのです。今後おいおいお伝えしていきます。とりあえず「刮目して待て」。
実家が事業に失敗し、中学3年からグラフィックデザイナーとして働き出す(じつは日宣美で3回も受賞しているのだ)。クライアントに恵まれて、それから25歳まで、むちゃくちゃに稼いだと笑う。初任給が1万円の時代に1月100万円もらっていたとか。つまり、そういうクライアントだったのだ。しかし、こんなことばかりしていてはあかんと思い、商売をプロデュースする今の職業を始めるようになったという。
北山さんが手がけたプロジェクト、誰もが一度は訪れたことがあるはずだ。ぼくも見たり、買ったり、遊んだりした。中でも気に入っているのは、徳島/東船場ボードウォーク、なんば/南海カーニバルモール、道頓堀/極楽商店街(一番好きなフードテーマパーク!),亀戸サンストリート。まちは賑わってなんぼの世界、どの場所も、まさにそれを実感させてくれる。
いろいろ書けない話もしてくれた。北山さんがつくったビルがきっかけで、一躍ファッションストリートとなるある場所は、謀業界では知らぬものはいないという大物が所有していた土地だったこと。また、東京のウォーターフロントのかなりの部分はやはりあっち方面のおえらいさんが牛耳っているという話し、そして彼らと対等に渡り合ってきたという武勇伝などなど。やはり、不動産や土地取引には、大と名のつく人たちの姿が見え隠れする。こういう話は、めちゃおもろい。血湧き肉躍る的な世界がくり拡げられるわけで、へたな小説を読むよりもよほど面白いからだ。
というわけで、まちは、いろんな欲望がひしめき合いながら、とぐろを巻いている世界。なにはともあれ、それで面白いまちができて賑わいが生まれればそれで正解、といういさぎよさが、ぼくにはたまらなく魅力的に見えた。雑誌編集より、まちの編集(プロデュース)。ぼくも、そっちに鞍替えしようか、なんて、ぜったいに無理だと思いつつも夢想するのでありました。
ドバイはスゲーッといろんな人から聞いていたが、NHKスペシャルで見て、ほんとうに驚いた。海をパームツリー型に埋め立てた(上空から見下ろすとヤシの木の型になっている)人工島で驚いていたら、そのとなりに今建設中の人工島はなんと世界地図の型になっている。で、「ザ・ワールド」だって。ところが、今度さらにその奥に宇宙の星座を模した「ザ・ユニバース」を建設すると発表。砂漠にスキー場をつくり、世界最大のショッピングモールをつくり、もうすぐ全自動のメトロが砂漠を走り出す。どうやら、ドバイは国まるごとテーマパークにしようとしているらしい。
自由が丘の「スイーツフォレスト」へ。コンクリート打ちっぱなしのおシャレなファッションビル。スイーツフォレストは、2階の半分につくられていた。HPのMAPでこのレイアウトを想像するのは無理だった。半分がフォレストで、もう半分はスイーツセレクト・ゾーン。チームナンジャの斎藤未来さんと打ち合わせ。エンタメ・ビジネス論のゲストにお呼びするからだ。これまでも、講演や講師などをされているので要領は得ている。全体の流れは簡単に決まる。それにしても、フォレストの出口付近の椅子席はほぼ満席状態。流行っている。それでも、今日は台風という情報もあって出足は鈍い方で、普段は入り口に列をなしているそうだ。お土産に、スイーツセレクト・ゾーンの「オリジンーヌ・カカオ」でマカロンと「カラメルとメープルシロップのケーキ」を購入。6月の授業が楽しみだ。
『city&life』no.87「美味し国」の景観論……フランス、都市景観の新たな創造」が発行になりました。
フランスには古くから「美(うま)し国」という言葉があります。自らの生きる場所を、「美しい」ところと称したのです。「美し」は、「旨し」であり、「美味し」でもある。グルメの国フランスとは、じつは景観においても、「美味し」=グルメの国という意味でもあったわけです。
景観法の施行によって日本でもにわかに景観保全への関心が高まっています。しかし、そこで言われる「美しさ」の中身に関しての議論はほとんどないに等しい。「美」という言葉だけが、もてあそばれているようにすら見えます。さらに言えば、都市計画、都市開発との連携もあいまいなままであり、土地利用計画との連動となると皆無といってもいいでしょう。そこで、景観保全および新たな都市景観の創造について、都市計画との関わりを踏まえて、風土と文化、市民と公共性という視点から捉え直してみました。
パリ市、フォーブル・サン・タントワンヌ、ムフタール、ベルシー公園、セーヌ・リヴ・ゴーシュ、モントルグイユ・サン・ドゥニ、モンマルトルetc、リヨン市、パント・ドゥ・ラ・クロワ・ルス、ヴィルユルベーヌなど写真多数
企画委員会は、まず、もうすぐ発行の号の色校正お見せして始められた。今回は力作、写真がとてもいいと絶賛。うれしいやら恥ずかしいやら。クライアントに満足してもらえれば半分成功したものだ。なにより励みになるし。企画委員の皆様方も熱心にみておられた。ということで、新企画を2本提案し、両方ともオーケーをもらう。皆さん食べることがお好き、食にからめた企画はうける。もう一つの「外から」企画も興味津々だった。いつものように、いろいろな意見が出されて(それにしても皆さんバックナンバーを読んでませんね)、とても参考になった。瀬戸内の新鮮な魚介類を味わいつつ語り合うってのはどう? といううれしい提案をなさる先生が一人おられて、もう大拍手!! また、楽しみな特集になりそうだ。
インタビューが終わって学バスがくるまで、図書館で待つ。ここに設置されているソファやテーブルは、一見アルヴァ・アアルトのもののように見えたが、そんなわけはないだろう。いくらリーズナブルとはいえ、半端じゃない数が置かれているから、もしも本物だとすると教室1棟が建ってしまう値段になるかもしれない。たぶん本物に違いないと思い込みながら、ぼくたちはバスの来るのを待った。今年も「偽」の時代になりそうな予感。
新旧の対比があまりに極端で、しばし言葉を失ってしまった。博多のネクサスワールドでポルザンパルク、コールハウスの住宅等に出会い感動しすっかり現代建築が好きになってから20年余り。その同じ建築家の作品を見て、寒気すら覚えることになるとは、いったい誰が予想しただろう、って自分でツッコミいれてどうする。とにかく、ぼくは、旧市街地の方がずっと落ち着けたし、こっちの方が親しみを感じたことだけは確かだ。単なる年齢からきた感傷か。いや、そうでもあるまい。都市とはなんだろうか。都市とは誰のものだろうか、改めて問い直したいテーマである。
リヨン・クレジット・タワー:設計ポルザンパルク
1時間ぐらい見て回り、パリ都市計画アトリエ(APUR)へ。今回最初のインタビュー。調査部長のミッシェル・クグリーエニュさん。来年定年を迎えるいいオジサン。ものすごい早口で、ほとんど切らない。これは通訳泣かせだ。しかし、通訳の佐伯さんと鳥海さんが丁寧に翻訳してくれる。2時間たっぷりお話してくれた。キーワードは「ミキシテ」つまり、混在、混交。『談』のテーマとも共通するコンセブトだ。ぼくも多いに共感する。終了後ベランダに出る。手前にポンピドーセンター、昨日歩いたサクレ・クールが見える。これだけの眺望は周囲にない。ということは、それだけこのビルが邪魔な存在でもあるということだ。都市景観や保存をするParis市の部所のなという皮肉。
サン・タントワンの中庭をもう一度見学。縫製関係の職場の入った工場建築とかおシャレな本屋があったり、修復してうまく使っている。夜は、リヴ・ゴーシュの都市再開発地域の旧圧縮空気工場をリノベした建築家フレデリック・ボレルさんの事務所にいる日本人の若手建築家ヨコオ・ケンタさんをインタビュー。取材の目的とは直接かかわりないが、フランスの建築家の待遇など面白い話が聞けた。それにしても、日本の設計事務所の勤務状況と比較すると、その差にがく然とする。夜7時にはあがって、夏休みが1月以上ある設計事務所(しかも個人の)なんて日本には皆無でしょう。
鳥海さんは、じつはここは中庭が面白いと案内しようとするが、ロックがかかっていてなかなか入れない。ようやく引っ越し中で玄関が木戸があいていたところを発見、お願いして入らせてもらう。確かに、商店街の喧騒と打って変わって、静かな空間が現われた。あまりこういう空間は見ることがない。あえて言えば坪庭に似ている。植生が、小さいながらも寛ぎの空間を演出している。鳥海さんとでなければ、こんな場所があるなんて気がつかなかっただろう。感謝、感謝。
次に地下鉄に乗ってジュシューの構想住宅群を見る。近代主義の洗礼をうけて、20階近い高層ビルが建ち並ぶ。「寒々しいでしょう」と鳥海さんは言うけれど、日本のそれと比較したら、はるかにバリエーションに富むし、第一外壁の意匠がそれぞれ個性的で、日本のと一緒にされたら困るだろう。その中で、建築家のポルザンパルクが担当した街路計画が際立っていた。街路側の壁面の連続性。ボリューム的には、かなり重厚。ぼく的には面白かったけれど。
Austerlitzわきからリヴ・ゴーシュの都市再開発地域をサーベイする。ここは現在三期まで再開発が進んでいる。三期目をやはりポルザンパルクが担当。また、旧製粉工場をリノベして大学に転用したもの、旧圧縮空気工場をリノベした建築学校など、コンバージョン建築の秀逸な建築も多い。
地下鉄で対岸のベルシー地区へ。ここは元ワイン倉庫の跡地利用。公園整備がいい。ランドスケープアーキテクトがつくり出す新たな緑地空間。子供たちがはじゃぎまわっている。ワイン倉庫はショッピングモールとして再生。コンパージョンとしては、大成功。今日は土曜だからかか、ものすごい人出だ。バスチーユから続く高架鉄道路線の下を店舗や工房にした修復・再生事業を見る。上は、路線を緑化し公園として再整備。Parisの新しいスポットだ。
山崎さんはじつに活動的だ。フランス料理研究会を開きつつ独立し、氷彫刻をやり、5年前から、洋館とフランス料理のまちづくりを実践してきた。話していて、すごく感じがいい。なんでもそうだが、先駆的なことをやると敵をつくることにもなる。そういう意味の苦労も多かったようだ。「弘前の桜を最初に植えた人は凄いよね。僕も先人は凄いね」とニコニコしながらおっしゃった。
まち歩きをしながら撮影する。お昼に再び山崎へ。そのお味を確かめるため。スペシャル・ランチをいただく。オードブルが、軽くメインディッシュ並みのボリューム。大好きなコンフィ。次はお目当ての木村さんのリンゴの冷製スープ。皆さんおっしゃるように、ほんのり甘くてデザートにしてもいい感じだ。メインは、ここの名物料理イトウ。これも感激もの(メニューを正確に記しておきます。国産鶏モモ肉のコンフィ サラダ添え、木村秋則さんの自然農法栽培りんごの冷製スープ、鯵ケ沢産幻のイトウと帆立のポワレ ほうれん草とラタトゥユ添え/木村秋則さんの自然農法栽培りんごの薄焼きパイ アイスクリーム添え/コーヒー)。
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青森空港からバスで弘前駅前まで約1時間。まず再開発が終わった駅前を見る。20年ほど前に訪れた時と印象はかなり変わった。再開発によって拡幅された都市計画道路が、周囲の環境とまだ馴染んでいない。なにか寒々しい感じがする。イトーヨーカドーを向こうに見ながら、再開発で生まれたポケットパークを見る。さすが青森県、林檎の木が植わっている。しかも、時期なので大きな林檎の実をつけて。
「虹のマート」へ。地元の食材を売る市場。その横には遊歩道。ほとんど通行人がいないので寂しい雰囲気が漂っている。土手町交差点から都市計画道路を北西へ。かつてアーケードだったものを新しくする。「まちなか情報センター」を横に見て「日本聖公会 弘前昇天教会」を見る。クランク状の坂を下ると大鰐線「中央弘前駅」。その向かいには「ルネス・アベニュー」。この複合型ファッションビルは、反対側の都市計画道路へ通り抜けが出来るようになっている。段差や通路が曲がっているので路地空間を彷彿させる。いい演出だ。
さて、最初に入ったのがフレンチレストラン「ポルトブラン」。ここでランチ。シャンパンを飲んでしまった。料理はかなり美味い。オードブルはフランス産鴨肉のサラダ仕立て、かぼちゃのクリームスープ、メインデッシュはすずきのムニエル、これにデザートとコーヒーがついて、約2500円。値段を考慮すれば、格安の本格フレンチだといっていい。続きを読む
今年で12回目。44個所で20人の作家が参加。八尾の民家や店舗が協力して、作家と共につくりあげるアート・フェスティバルである。旧色街の置屋だった杉風荘とその周辺のいたるところに設置されたぶたのぬいぐるみとたくさんの箱でつくった犬のオブジェのインスタレーションを見る。
八尾毛利館へ。玄関入ったところの吹き抜け空間に設置された富山出身のアーティスト三隅摩里子さんのワイヤーアートのインスタレーションに圧倒される。それから昨日と同じように東町、上新町、諏訪町をぶらぶらする。昨日はまだその準備で作品が展示されているところはほとんどなかったが、今日は参加した店舗や民家は、コラボレーションの場所、ギャラリーにすっかり様変わりしていた。
現代美術系もあれば、平面、立体、陶器、あるいは写真などの作品や、作家ばかりでなく地元のアマチュア作家も参加していて、バラエティにとんでいる。会場に作家さんがいらっしゃらなくても、その会場の提供者である家主さんが入り口に出ていたり、いわゆる展覧会とは一味違った面白さがある。上新町通りの一番はずれの水上味噌醸造元店では、客間に陶製のあかりの展覧会をやっていた。部屋へあがらしてもらうと、高齢のご主人が座っておられる。作品もさることながら、部屋の欄間の意匠に驚くと、そのいわれをいろいろお話してくれた。こういうところが、このアートフェスの特徴なのだろう。玉旭酒造では、チョークアートの展示とともに子供たちにチョークで絵を描かせるワークショップをやっていた。
総合案内所で、山下さん、吉田さんと遭遇。全体を見た感想をいうと、とにかくクオリティが高い。また、それぞれの作家がその展示空間との関係をよく吟味している。さらには、会場でないところも、軒先や玄関周りを花でデコレーションしたりしてそれらしくアート空間を演出している。とにかく、全体に品がよくてセンスがいい。これまでいくつかまちをアート空間にするイベントをみてきたけれど、その中でも出色だ。
こういうと申し訳ないのだが、正直行くまではあまり期待していなかった。ところが、実際に見て体験してみて、「坂のまちのアートinやつお」がいかにすぐれたフェスティバルであるかということが分かったのだ。
アートでまちおこし、まちづくりをすでにやっているところ、またやろうとしているところは少なくない。ぜひ、「坂のまちのアートinやつお」を体験してほしい。それが成功しているかどうかはわからない。しかし、まちとアートがどう関われるのか、ここはその最良のテキストなのだから。
帰りにオズヴァルド・チルトナー追悼展。ギャラリーに2点だけの展示。それと、画集。じつはここは小出由紀子事務所の一室。こういう見せ方もあるのかと、ちょっと新鮮。というか、うちの事務所でもできるぞ。
駒場アゴラのある商店街では盆踊りが行われていた。クルマ1台やっと通れるような商店街に老若男女がたくさん集まっている。浴衣姿も多い。お店の前で焼きそばを売っていたり綿飴や金魚すくいの屋台が出ている。
受付開始。サロンのような場所のテーブルの前にいた青年が主宰者の岸井大輔さんだった。案内用のフライヤーの入ったビニール袋と、POTALIVEの参加者であることを示すシールをもらう。それを次回持参すれば、200円で入れるという。つまり1回600円! なんと安いことよ。
キャンセル待ちも加えてたぶん13人の参加者。今回の案内役、村井美樹さんがあいさつ。村井さんは、現在ドラマ「麗しき鬼」や「アニメギガ」の司会で活躍する女優さん。浴衣がよく似合うステキなお譲さんだ。さっそく商店街に繰り出す。盆踊りは終わったばかり。商店街はまだその余韻が残っていて、すぐには帰らずにまだ多くの人々が残っている。村井嬢の話がゆっくりと始まる。続きを読む
地図が好きという人は、ものの見方が少しばかり変わっているようだ。いや変わっている人が、気がつくと地図マニアになっているという方が正確かもしれない。地図の好きな人は、いつのまにか、自分で地図に書き込んでいる。というよりも、カキコが好きな人は、いつのまにか地図というメディアに行き着いてしまうという方が正確だろう。そして、地図の好きな人は、未だ謎だらけの過去という名の未来へと旅立つ。
地図の好きな人と時刻表の好きな人は重なっているようだ。地図を読むように、時刻表を読み、時刻表を見るように、地図を見る。泉さんが言うように、地図に興味のない人に限ってカーナビをつけると、カーナビに頼りっきりになる。こんな道あり得ないだろうというところでも、なんの疑問もなくカーナビのいう通りに走ろうとする。
IT化の進展もあって、国土地理院の2500分の1の地図の売上が激減しているらしい。日本は、何かに邁進すると雪崩れを打つように右に習えで進んでしまう。気がつくと、紙の地図が地上から消えてしまうかもしれない。100年後の日本人は、それまで豊富だった地図の資料が、2000年初頭に忽然と消えてしまうことに驚くに違いない。そうならないためにも、ぜひ紙媒体として地図を残してもらいたい。約2時間、楽しく教えてもらうことの多かった対談でした。『 city&life』no.85に掲載予定。
明治通りから渋谷川沿いを見る。今でこそコンクリート三面バリの河川だが、古くは河岸がならぶ舟運の要所だった。八幡通りのすぐ脇にある「さかえ湯」から裏渋谷を散策。古い木造をリノベした建物がけっこうあった。オシャレなカフェや雑貨屋に変身している。セルリアンタワーから陸橋を渡って東急裏へ。さらに道玄坂から百軒店へ。
麗郷で食事。百軒店を見る。BIGや名曲喫茶「らんぶる」は顕在、しかしその周囲はラブホテルばかり。そのはずれに千代田稲荷がある。そのとなりにベビーカーで入れるカフェが。誰が利用するのか。もしかしてafter Hotel? どんなひとが利用しているのかじっくり視察して東急本店へ。途中、SHIESPAの爆発現場を見る。SHIESPA本体は無傷で残っているが、看板にでっかい噴煙を上げる火山の写真。これはしゃれになりません。だんだん事件観光になってきたので、気を取り直す。
本店からハンズ方面へ、宇田川町を見てお茶する。東武ホテルの滝の音にしばしなごみ、「たばこと塩の博物館」から、明治通りへ。飲み屋横丁をのぞいていたら、なんと佐藤良明先生とばったり会う。今年東大を退官されてフリーになったというお手紙をもらったばかり。ならば、原稿でも書いてもらおうと思っていた矢先のこと。これは運なのか。いったん渋谷駅裏の焼き鳥屋を見て、事務所へもどる。
五感ツアーというよりは、トマソン、木造物件、レトロ建築散策の旅という感じになってしまったが、愉しい一日だった。みなさんご苦労様でした。
■「カキコまっぷ」とは。(株式会社岩手情報システムHPより)
□ 誕生 □
東京大学工学部都市工学科において、地域行政への住民参加を活性化させるひとつの手段として考案され、岩手情報システムがオープンソース版として開発しました。
※独立行政法人情報処理推進機構(IPA)2005年度下期・オープンソースソフトウェア活用基盤整備事業で採択されました。
□ 機能概要 □
・インターネット上に公開された地図に、情報を書込んだ「ふせん」を貼り付けていきます。
・投稿された内容にコメントを追加することにより、書込んだ「ふせん」が「電子会議室」になります。
・GPS付携帯電話からのコメント・画像の投稿及び閲覧ができます。
・ベースとなる地図は、GIS対応データまたは、オリジナルの画像も使用することができます。
詳しくは ↓
カキコまっぷ
急告 レム・コールハース氏特別講演の中止
国際会議 「ユビキタス・メディア: アジアからのパラダイム創成」(通称UMAT)への参加申し込みをいただいた皆様へ、
大変残念なお知らせです。日程を再調整して準備をすすめておりましたレム・コールハース氏単独による特別講演「アブストラクトスペース:新しいアジア」(7月13日(金)の15時30分より安田講堂にて予定)ですが、現在ドゥバイに滞在中のコールハース氏より、昨日、現在進行中の建築プロジェクトのためにどうしても現地を離れることができないという旨の再度の連絡があり、最終的な講演中止を決定せざるをえなくなりました。
皆様のご期待に添えなくなってしまいましたこと、ならびに多大なご迷惑をおかけいたしますことを、運営委員会一同、心よりお詫び申し上げます。
以前フランクフルトからケルンへ鉄道で移動した時に、駅の周辺にクラインガルデン(市民農園)があるのをいくつも見た。なるほどね、駅のそばなら「通勤途中にちょっと庭いじり」。これはいいかもって思ったものだが、まさにそれの日本版というわけだ。アグリビジネスというよりは、「育てる」ことを愉しむ、新手のエンタテインメントビジネスとみるべきだろう。
僕が注目するのはナムコのチームナンジャの仕事。彼らは日本で唯一のフード・テーマパークのプロデュース集団です。「横濱カレーミュージアム」にはじまって、「ラーメンスタジアム」「池袋餃子スタジアム」「なにわ食いしんぼ横丁」「アイスクリームシティ」「自由が丘スイーツフォレスト」「明石ラーメン波止場」「東京パン屋ストリート」……、都市のど真ん中のそれもビルの内部にテーマパークをつくってしまう。そして、そのテーマパークのテーマがズバリ「食」なんです。食べることの愉しさを全面展開したフード・テーマパーク。ディズニーリゾート、USJ、ハウステンボスといった巨大御三家の足下にも及ばないテーマパークでありながらも、そこには人間の欲望に直結し、都市というカオスを見据えた仕掛けが満載です。テーマパーク化した日本の内部に、風穴を空ける、反テーマパークとしてのテーマパーク。池袋ナンジャタウン内の餃子スタジアムに復活した名店(すでにない)「安亭」の幻の焼き餃子を食べながら、そんなことをむにゃむにゃ考えてしまいました。
今日もインタビューは斉藤女史で、僕はカメラマン。今回の取材でよくわかったことは、自転車問題は市民も行政も力を入れて取り組んでいるのだが、ただひとり警察がネックなのだ(もちろん新田先生がそういったわけではありません、ぼくの考えです)。クルマの渋滞を極度に警戒し、事故があった時に責任を被るのは警察。なによりもそれを恐れているのだ。警察が責任をすべて負わなくてもいいような仕組みをつくる。それに関連して、合意形成が用意にできる仕組みをつくること。ヴィジョンをかたちにする戦略と戦術が必要なのだ。自転車問題は警察問題である。
今回のインタビューは、立場がそれぞれ違っているので、問題の所在が逆に明確になった。4年前の取材時に都市プランナーの角橋哲也さんにお話をお聞きしたら、やはり同じように合意形成の重要さを強調されておられた。まちづくりにとって一番必要なのは、合意形成を生むための仕組みづくりなのかもしれない。
次にANAコンチネンタルホテルへ。自転車ツーキニストを自認する疋田智さんにインタビュー。自転車通勤のできる快適な自転車環境を目指す実践派。時に厳しく聞こえる意見も、自転車を愛するからこそだ。こうした市民の声があってこそ「サイクリング・シティ」の実現が可能になるのだろう。じつに気さくな人で、話が盛り上がる。そのあと「とら八」へ。外人客の多い居酒屋。年配の人が3人でやっている店。焼き鳥は美味しいしこんな居酒屋がアークヒルズにあるなんてうそのようだ。











