『談』最新号 no.110「幸福の空間戦略…地域再生〈新〉論」が11月1日全国書店にて発売になります。

書店販売に先立ち、一足先に『談』ウェブサイトでは、各インタビュー者のアブストラクトとeditor's noteを公開しました。

右のメニューバーの最新号、no.110号の表紙をクリックしてください。

日本の過疎問題は、主に中山間地域の人口減少に伴うものとして1960年代から顕在化してきています。しかし、今や人口減少はそうした中山間地域だけの問題ではありません。2014年には、2010年から30年間の女性人口の減少率から消滅可能性をもつ896自治体が発表され、そのなかに、東京23区内の豊島区が入っていたことで話題になりましたが、このことは、もはや都市部と中山間の農村、あるいは漁村といった区分けを掲げたままで、都市・町・村の存続を考えることの限界を示してもいるのではないでしょうか。
人口減少社会において、地域と都市の問題は不可分のものとして結びついている。都市・町・村が連携した空間戦略の視点が希求されているのでしょう。今号は、人口減少社会における地域と都市のそれぞれの持続可能性について検討します。

「クリエイティビティの地産地消が地域経済を再生する」
飯田泰之 明治大学政治経済学部准教授
中規模都市圏のでき、そしてその中心市街地の活性化は地域再生にとって最大のハードルであり、最重要の課題です。そして、その達成のための方法論は多彩で多様です。地域の「稼ぐ力」を向上させるためには、地域のクリエイティブ活動の活性化が必要であり、クリエイティブ活動を担う人材を引きつけるためには、まちそのものが魅力ある存在であることが重要です。私たちにとって、「魅力のあるまち」とはどのようなものか、マクロ経済学の視点から考察していただきます。

「つながる地域〉を実現させる」
石田光規 早稲田大学文学学術院教授
逃げ道が用意されているなかで、わずらわしいものと“あえて”主体的に関わろうとする人はまれです。じつは、戦後追求されてきた生活スタイルには、地域とかかわりを掘り崩す仕組みが内包されていたのです。「地域のつながりを再編する」ということは、私たちが戦後築き上げてきた生活維持のシステムを再度見直すことに他なりません。住民にとって地域のつながりは本当に必要なものなのでしょうか。コミュニティ再生論の根源に立ち返って考察していただきます。

「〈風の人〉から〈関係人口へ〉…〈関わりしろ〉から始める地方再生」
田中輝美 ローカルジャーナリスト
農山村は、「過疎化」、「限界集落」といった言葉に代表されるように、人口減少に直面し続けてきました。しかし、人口減少社会という前提に立てば、農山村は「先行地域」となり、過疎地域こそ、日本社会の「最先端」になります。
ところで、「田園回帰」と呼ばれる新たなムーブメントが起きています。都市に暮らす人々の農山村への関心が高まり、農山村地域に移住する人も増えてきました。「よそ者」たちと地元の人々との共創による地域再生も始まっています。よそ者とつくる新しい農山村の未来についてお話ししていただきます。

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