『談』の発行元であるTASCの研究員で気象大学校兼任講師の飯塚智規さんから『震災復興における被災地のガバナンス–被災自治体の復興課題と取り組み-』(芦書房)を贈呈していただきました。
被災地の復興体制として、各社会アクターが協働で復興計画の策定や復興事業の遂行を担えるローカル・ガバナンス(Local Governance)の仕組み・あり方について検討することを目的に、平時ではない、復旧・復興という危機的状況において、地方行政に何ができるのか、また、地方行政が直面する様々な復旧・復興上の問題や課題の中で、組織運営や住民との調整に関する問題・課題には、どのようなものがあるのか、そして地方行政は、この難題に対して、どのようにして住民やNPO等と協働で対処していくべきなのか、これらの問題への対応を、きわめて具体的なかたちで示しているところが本書の特徴です。
そもそも復興とは、「災害によって破壊され喪失した状態から、失ったものを回復し元の勢いを取り戻す」ことを指すのであれば、復興には、「自立」と「安心・安全の確保」と「改革」が求められるべきであり、基礎自治体が中心となるのは当然であるとしても、住民・コミュニティ・地方企業・ボランティアやNPO団体・地方議会(議員)等の協力が不可欠であり、そこで望まれるのがガバナンスであると著者は言います。
住民意識と行政対応のマッチングを本書では復興プロセスの最適化と呼び、被災地のガバナンスを構築する目的が復興プロセスの最適化であり、ガバナンスが機能することで、復興災害の被害を軽減し、未然に防ぐことも期待できるという。
本書のもう一つの特徴は、自治体の復興支援能力や支援体制の整備、住民の復興活動や行政への参加といった「ソフト」の強化に有効な知見を見出そうとする中で、それを著者の専門分野である政治学・行政学の視点から捉えているところにあります。そして、著者も言うように、防災・減災や復旧・復興の問題について、政治学・行政学から一定の方向付けを示した意義は大きい。本書が契機となって、ガバナンスによる被災自治体と被災住民の相互理解がよりいっそう深まることを期待したい。
被災地の復興体制として、各社会アクターが協働で復興計画の策定や復興事業の遂行を担えるローカル・ガバナンス(Local Governance)の仕組み・あり方について検討することを目的に、平時ではない、復旧・復興という危機的状況において、地方行政に何ができるのか、また、地方行政が直面する様々な復旧・復興上の問題や課題の中で、組織運営や住民との調整に関する問題・課題には、どのようなものがあるのか、そして地方行政は、この難題に対して、どのようにして住民やNPO等と協働で対処していくべきなのか、これらの問題への対応を、きわめて具体的なかたちで示しているところが本書の特徴です。
そもそも復興とは、「災害によって破壊され喪失した状態から、失ったものを回復し元の勢いを取り戻す」ことを指すのであれば、復興には、「自立」と「安心・安全の確保」と「改革」が求められるべきであり、基礎自治体が中心となるのは当然であるとしても、住民・コミュニティ・地方企業・ボランティアやNPO団体・地方議会(議員)等の協力が不可欠であり、そこで望まれるのがガバナンスであると著者は言います。
住民意識と行政対応のマッチングを本書では復興プロセスの最適化と呼び、被災地のガバナンスを構築する目的が復興プロセスの最適化であり、ガバナンスが機能することで、復興災害の被害を軽減し、未然に防ぐことも期待できるという。
本書のもう一つの特徴は、自治体の復興支援能力や支援体制の整備、住民の復興活動や行政への参加といった「ソフト」の強化に有効な知見を見出そうとする中で、それを著者の専門分野である政治学・行政学の視点から捉えているところにあります。そして、著者も言うように、防災・減災や復旧・復興の問題について、政治学・行政学から一定の方向付けを示した意義は大きい。本書が契機となって、ガバナンスによる被災自治体と被災住民の相互理解がよりいっそう深まることを期待したい。
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