『談』no.75 特集「バイオパワー…利用される生きる「力」」で、「再生産される<生命空間>」というテーマでインタビューを行った藤原辰史先生の講演会が開催されます。
「食と農という絶対不可欠な人間基盤を養分とするおぞましい暴力が生-権力のもう一つの実体」と喝破した藤原氏。ナチズムとエコロジー思想の危うい関係について、今回はリスクとのかかわりから展開されるのではないかと期待しております。
また、今回の連続講演には、『談』no.70 特集「自由と暴走」で、「虚構としての〈自由な主体〉……人間性の限界」をテーマにお話しいただいた仲正昌樹先生の講演も予定されています。
あわせてお知らせいたします。詳細は↓
●第4回 2012年2月26日(日)「エコロジー思想」に潜むリスク ―ナチスドイツの有機農業―
講 師:藤原辰史(東京大学大学院農学生命科学研究科講師)
内 容:世界にさきがけ「自然との共生」を掲げたナチス・ドイツは、なぜホロコーストに至ったのか。ナチス・ドイツの有機農業や「生物圏平等主義」の検討をもとに、エコロジー思想が併せ持つリスクを考察する。

●第5回 2012年3月10日(土)単純化される言説<神話>の受容とその背景
講 師:仲正昌樹(金沢大学法学類教授)
内 容:さまざまな「神話」化された言説の背景には、「わかりやすく」物事を二項対立で理解する図式が存在している。リスク社会をとらえる上で重要な、物事の「単純化」の構造や、それらを突き放したアイロニカルな視点について考える。
連続講演「リスク社会の<神話>を問い直す」〜安全・科学・エコロジー〜[全5回]