老いへの不安 歳を取りそこねる人たち
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「人生なんて呻(うめ)き声をあげたくなるようなことの連続ではないか。ましてや老いたら、それはそれで独自の当惑や〈釦(ボタン)の掛け違い〉、恥や失望や悔しさが待ち受けているに決まっている。ならばそのようなものを、まずは他人事として味わってみるのも一興ではないか。それが人生の参考になるとか他山の石になるというのではなくて、ああ、こういったことってあるかもしれないなあと思ってもらえれば十分である。あるいは意地悪な楽しみであっても構わない。
気負った言い方をするならば、種々様々な悲しみや煩悶や屈託を見知ってこそ、我々は豊かになれる。その上で、若作りをする初老期を笑うのも結構だし、共感を寄せるのも結構ということになる。
こうして、活字を追っている間にも、刻一刻と我々は老いていく。そして歳を取りそこねる人もいれば、スマートに歳を取っていく人もいる。老いの見本帳(ダークサイド版)として本書を読んでいただければ幸いである」。
春日武彦先生、本出しすぎ!!って、つい数日前にここに書いたら、また新刊が贈られてきました。
あいかわらず春日先生の筆致はさえまくってます。残念ながら、寄り道は少ないけれど、その分老いの周囲をいったりきたり。ぜんぜん前に進んでいかない。それがまたなんとももどかしい。帯には「老いることは、むずかしい。」とあります。でもね、いや、そうでもないぞ、とほんとは言いたいんじゃないですか。だからダークサイド版なんですよね、先生。
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