イラストレーターの阿部真理子さんが亡くなった。
今はなき『たて組ヨコ組』の大阪特集(84年)で、「ひさびさの大型新人、彼女は絶対ブレイクするから取材したほうがいいよ」と誘われて、大阪のデザイン事務所でお会いしたのがクサレ縁の始まり。以来、うちで制作していたほぼすべての媒体に登場。苦しい時の阿部マリーと勝手に呼ばせてもらっていました。いつも元気ハツラツというより元気モリモリ、飲み方もシットリというよりガッポリ、迫力満点、豪放磊落、とにかく愉快痛快なお人でした。仕事の他にも、遅咲きのヅカファンと知って、なつめさんのワンマンショーにご一緒させていただいたり。まあ、いつも彼女のおもちゃにされていたというほうが当たっているんですが。
そんな阿部マリーさん、じつは『談』のコアなファンだったのです。会うと彼女はきまってこう言います。「こんな難しいことを言って、また人をだますんだろ」、「でも、これがわかんないやつは、マスコミにいる必要はないね」と豪語する彼女は、本当によく読み込んでいました。そして、時折、鋭い質問を投げかけて、言葉をつまらせる僕を見ながら、「だまし方もっと勉強しろよ、はっはっは」と高笑い。なんとイヤミないけすけないやつだ、と一瞬思うのですが、すぐにそれが僕への最良の励ましのお言葉だとわかります。
『談』は、そんな貴重な読者を一人失いました。こころよりご冥福をお祈りします。
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