「勝間和代を目指さない」のコピーが目を引く香山リカさんの新刊『しがみつかない生き方』が評判だ。このブログでも、紹介したが、本書の主張は「ふつうの幸せ」こそ最高の幸福で、その基本は「しがみつかない」生き方だ、というもの。「成功を呼ぶ○○」だとか「○○で年収10倍アップ」だとか『成功のための心理学』とか、ちまたにはいわゆる自己啓発を呼び掛ける書籍があふれている。それらは、結局のところ単なる自慢競争にすぎない。「ふつう」でオッケー。むしろ「ふつう」であることをこそ貫き通すベきだ。もちろん、香山さんはそんなに強く言ってるわけではない。いや、「ふつう」でいることの方が、じつはよほど大変なんだという。だからこそ、「ふつう」でいいのだというわけだ。
ところで、自己啓発本である。今や、本屋の棚のかなりのスペースがこの類いの本で占められている。ビジネス書のコーナーに自己啓発書がいつから並ぶようになったかは定かではないが、確かなことは、その占める割合が増えていることだ。デール・カーネギーの『道は開ける』とか最近ではスティービン・R・コヴィーの『七つの習慣』とか、ベストセラーになったものもいくつかある。これら自己啓発本こそ、じつはフーコーのいう司牧権力から派生した「統治性」である。「統治性」とは、まさにビジネス書の世界に他ならない。こう断言するのが『夜戦と永遠』の著者佐々木中さんだ。
佐々木さんは言う。「歴史的事実として、ベンサムのようなリベラリズム、自由主義の元祖のような人たちが、デール・カーネギーのような「うまくやっていく」ための処世術、マネジメント、生き方の処方箋みたいな本を書いているのです。まさにフーコーが批判的に取り上げた「一望監視装置」のベンサムがね。これが、フーコーの言う宗教的な「司牧権力」の後継としての統治性の結果なのです」
そして、『七つの習慣』には、とんでもないことが書かれていると言い、それを真っ向から批判する。佐々木さんはなんと言ったか……。詳しくは『談』最新号佐々木中インタビュー「この世界における別の生……霊性・革命・芸術」をお読み下さい。
ところで、自己啓発本である。今や、本屋の棚のかなりのスペースがこの類いの本で占められている。ビジネス書のコーナーに自己啓発書がいつから並ぶようになったかは定かではないが、確かなことは、その占める割合が増えていることだ。デール・カーネギーの『道は開ける』とか最近ではスティービン・R・コヴィーの『七つの習慣』とか、ベストセラーになったものもいくつかある。これら自己啓発本こそ、じつはフーコーのいう司牧権力から派生した「統治性」である。「統治性」とは、まさにビジネス書の世界に他ならない。こう断言するのが『夜戦と永遠』の著者佐々木中さんだ。
佐々木さんは言う。「歴史的事実として、ベンサムのようなリベラリズム、自由主義の元祖のような人たちが、デール・カーネギーのような「うまくやっていく」ための処世術、マネジメント、生き方の処方箋みたいな本を書いているのです。まさにフーコーが批判的に取り上げた「一望監視装置」のベンサムがね。これが、フーコーの言う宗教的な「司牧権力」の後継としての統治性の結果なのです」
そして、『七つの習慣』には、とんでもないことが書かれていると言い、それを真っ向から批判する。佐々木さんはなんと言ったか……。詳しくは『談』最新号佐々木中インタビュー「この世界における別の生……霊性・革命・芸術」をお読み下さい。
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