佐々木中さんにインタビュー。Tシャツ短パンにキャップ。いよいよ、こういうアカデミシャンがでてきた。いいことだ。しかし、思想的強度はそこらの教科書だけ読んでお茶をにごしているインチキ学者よりよほどすごい。で、話が始まった。この人、言葉が発せられるととたんに表情がどんどん変わっていく。大声で顔を真っ赤にして喋ったかと思うと、蚊の鳴くような声になったり。鋭い眼差しでにらみつけたかと思うと、仏様のような柔和なお顔になったり。身振り手振りが加わって、まるで舞台俳優のようだ。シアトリカルなデンケンって…、と思ったけれど、佐々木さんに限ってはそれは好感度になる。彼にかかるとフーコーもルジャンドルも、そしてラカンすらこれまでの評価は一変してしまう。今まで五万という人間が語り、批評し、論究したきたはずなのに、そのどれとも違うフーコーやラカンやルジャンドルになる。五万の人間たちは、いったい何をみていたのかと思うほど。「ちょっとむりやりな企画だとは思ったんですが」とあらかじめことわると、「そうですね」っ薄笑いをうかべていたのに、いざ始まってみれば、むりやりどころか、ほとんどストライクゾーンに直球だ。やはり、佐々木さんのインタビューを最後にもってきてよかった。とこれは、『談』の次号特集「生存の条件」に収録されます。
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