R大へ。教室へ行くとティーチャーズ・アシスタント(TA)のYさんが来ている。学部の4年生。就活は、エンタメ系を目指しているようで、それでこの授業のTAを選んだとのこと。手伝ってくれるのはありがたいけれど、彼女にとってメリットがあるかはわかりませんが。さて、その授業、今年は6人。全員男性で、なかにはベンチャー系の金融機関に所属しているひと、ある特殊なマーケットを開拓してマスコミにも登場したことのある社長さんなんかがいる。予想外な展開になりそう。
ところで、エンタメ・ビジネスのとてもよい参考書が発行された。『文化に投資する時代』(朝日出版社)。著者は、元広告マンで、エンタメと金融を融合させるビジネスを始めた亀田卓さんと元金融マンでエンタメのファンドを立ち上げた寺嶋博礼さん。二人は、金融とエンタメは水と油という常識をみごとにひっくり返して、エンタメに投資する仕組みをつくりあげた。「エンタテインメントの証券化」というアイデアに始まったその冒険の苦労と成功のドキュメントである。本書は、その中身もいいけれど、それと同じくらい本のつくり方が気が利いている。エンタメと金融のいまさら聞けない用語が、丁寧でわかりやすい脚注とコラムで解説されていたり、まるで二人が順番に講演をやっているような構成になっているのだ。微妙なドライブ感があって、このネタに直接関心のない者も読者にさせてしまうような説得力がある。で、奥付をみたら、な〜んだ、第2編集部の若い編集者Aさんの仕事ではないですか。この人のつくるもの、ほぼまちがいなく面白い。


文化に投資する時代 (カルチャー・スタディーズ) (カルチャー・スタディーズ) (カルチャー・スタディーズ)
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