目黒区美術館へ。「上野伊三郎+リチ コレクション展」の内覧会とレセプション。さっそく展示を観賞。2人(夫婦)は、日本の近代建築史やデザイン史に名をきざみながらも、その活動、作品はほとんど知られていなかった。今回の展覧会は、それらがじつはちゃんと保管されていて、始めてその全貌を明らかにするというもの。まさに、幻のコレクションなのだ。感想をひとつだけいうとすると、伊三郎の鉄とコンクリートによるモダニズム建築(外装)の内部(内装)に展開するリチのアールヌーヴォを思わせる有機的でファンタジックなデザイン、その一見相反するデザイン志向が壁1枚で共存しあう。なんともスリリングな試み。ウィーン工房の装飾性とバウハウス方式ともいえる機能主義が、じつは水と脂の関係ではなく、むしろそのあり得ない融合によって新しい感性を生み出してきたのではないか、ということに気がついた。それこそ、20世紀的デザイン、新たなエレクティックの誕生である。これは、今考えている「かわいい」に通じるところがあるんじゃないかという仮説も。
上野伊三郎+リチ…コレクション展
ウィーンから京都へ、建築から工芸へ
上野伊三郎+リチ…コレクション展
ウィーンから京都へ、建築から工芸へ
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