我が家の愛猫が突然血尿。あわてて、動物病院へ。診察が始まる。といっても、愛猫はキャリーバックの中。先生の説明はとてつもなく長い。いきなり腫瘍の恐れもあるといって脅かしておいて、しかし、その確率はきわめて低いと付け加える。さらに、膀胱炎、尿結石、腎臓病、いろいろな可能性を示唆する。ところが、肝心の治療方法については、何も言ってくれない。超音波をとろうかとかレントゲンを撮るのもいいかもしれないとか、この機会に精密検査ばりに調べた方がいい、でも、ストレスがかかるからやはりやらない方がいいのではとか……、とにかく、決定的なことを言ってくれないのだ。結局、「決めるのはあなたです」といわんばかり。これをインフォームド・コンセントというのなら、僕はパターナリズムの方がずっといいです。パターナリズムでどんどん押し切ってほしい。自己決定なんて、必要ねぇ、とその時はマジで思った。20分以上、愛猫そっちのけでディスカッション。院中だけでなく、外にまでお客さんが溢れている。結局、薬を飲ませることになった。でも、これはこれまで飲んでいたもの。最初から、継続しましょうといってくれれば1分以内に診療は終わっていましたよ。今日を機会に僕はパターナリストになることに決めました。