『TASC monthly』で1年間連載していただいたお礼と感謝の意味で、TASCさんに執筆者の粉川哲夫先生を囲んで一席もってもらいました。「シネマ・シガレッタ」は当初の予想通り、とても面白くかつ刺激に満ちた内容になって、満足しましたとお伝えすると、とにかくたばこへの規制がよりいっそう厳しくなったのか、たばこのシーンそのものがスクリーンから抹殺されようとしていると報告。そのために、回を追うごとに書きにくくなっていったよ、とおっしゃっておられました。でも、そうした状況とはうらはらに、先生の筆は、冷徹に、時に若干の同情を込めて、映像とたばこの交錯するその一瞬を切り取ってくださった。映画シーンの中のたばこ、たばこと映画の親和性といった題材の読み物は過去にもあったけれども、今回のように、映画のコンテクスト(ストーリーだけでなく映画産業というコンテンツも含めて)そのものに働き掛けるする作用因子(オブジェ)としてのたばこを、あくまでも映画的感性で読み解く、というものはなかったように思います。粉川先生にお願いして、ほんとうによかったと思いました。先生には、他に『談』にも対談者としてご出席いただきましたし、何かと縁の深かった一年でした。今度は、メディアアーティストとしてまた何かやってもらおうと思っています。「シネマ・シガレッタ」を面白いと思ってくださった皆さん、楽しみにしていてくださいね。
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