みなとみらい線に乗って新高島で下車。町を少し歩く。ショッピングモールとアミューズメントと飲食店しかない。あまりのチープさに腰が抜けた。町全体がテーマパークみたい。マックに入ったが、ここの内装がまた一昔前に流行ったミッドセンチュリーもどきのそのまたもどき。4人掛けのテープルが仕切られていてブースっぽくなっているのだけれど、大きなガラスばりなので、サラリーマンなんかが数人でテーブル挟んで話している絵は、なんかとってもヘンだ。

再びみなとみらい線にのって横浜へ戻り、京急で日ノ出町へ。約束の時間より少し早くついたので、黄金町バザールの会場の通りを小金町方向へ歩く。ガード下で新井卓さんと遭遇(『談』no.82でダゲレオタイプの作品を掲載)。彼は、ここで写真館のプロジェクトをやっているのだ。そのままバザールオフィスへ。ちょうど編集の斎藤さんとライターの大城さんがやってくる。

『city&life』の取材。まず、実行委員の山野さんにインタビュー。京急高架補修工事で小規模店舗が立ち退く。ところが、小規模店舗が周辺に拡散・拡大、かえって買売春の店舗が増えてしまった。初黄日ノ出町環境浄化推進協議会を発足してあらたなまちづくりを始める。通称「バイバイ作戦」。一斉摘発で空き店舗となったところをアーティストに貸して、アートによるまちづくりを始める。そのうち新しくなった高架下の2ヶ所を市が買い上げて、アーティストのスタジオ、ショップとして再スタート。それを機に、周辺の協力を得て今回「黄金町バザール」を展開することになったのだ。

特殊飲食店をそのまま使ったインスタレーションや写真展、ワークショップ、パフォーマンスにカフェなど。新井さんの写真館を覗く。彼は、ここでダゲレオタイプで記念写真を撮ってくれるユニークな試みをやっている。新高島にはない歴史的な重みがちょっとだけここにはあった。。

結局、住民たちがどうしたいかを決めて、その目標に向かってまちづくりをするのがいい。そのきっかけになればと始まったアートフェスだけれど、ぐるっとみた感じではうまくいっているように思った。挑発的に、「敷金礼金なしで風俗営業も可」と書かれたチラシの張ってあるある空き店舗がまだあったり。関係者に言わせると、戒厳令下のアートフェスなのだそうだ。でも、なんで戒厳令下だって? それは、行ってみればわかりますよ。みんなものすごく楽しそうにしてますが、要所要所には、ちゃんと機動隊や警官隊が24時間で警備しているんですから。