株式会社シュガーカンパニー「Go smoking 友の会」から、ステッグマイヤー名倉さんの新刊『ナグラる』を贈呈していただきました。本書は、著者がウェブ上の日記やコラムとして書いてこられた文章に書き下ろしを加えたもの。著者は「素人の絞り汁」とまえがきでいっておられますが、ぜんぜんそんなことはなくて、「玄人の職人芸」的面白コラム集になっています。なぜ僕のところに送られてきたのかというと、著者が連載をされているシュガーカンパニーのサイト「Go smoking」の主宰の方と『談』のブログで知りあったからです。本書の後半は、この連載からいくつか採録されていますが、これがなかなかいいのです。いわゆる禁煙原理主義や嫌煙論者に対して、声高に不満をぶちまけるのではなく、といって、意固地になって不平を並べるのでもなく、たとえれば夏の終りのモスキートのような攻撃。「いやっそこかいな」というような、狙っているのか外しているのかよくわからない様子で、しかし、血は「しっかり吸ったる」という感じ。まぁ、じつにフツ〜の言葉で、現代の異常ともいえるたばこ包囲網を揶揄しているのです。
たばこは吸わないけれど(すごく前に吸っていた)愛煙家である僕にとって、このスタンスはちょうどよい。論理的に批判しても通じない相手に、いくらエモーショナルに迫ってもダメ。蜂のムサシは死にましたが、蚊はしぶといでっせ。がんばってくれなはれ。
ナグラる
ナグラる