大阪大学留学生センター准教授瀬戸山晃一先生にインタビュー。ちょうどこの時期は、新しく入ってくる留学生の受け入れと阪大から留学する日本人学生の対応で、瀬戸山先生は忙殺されている。そんなてんてこまいの状況のなか、無理をしてインタビュー時間をつくっていただいた。先生には申し訳なかったけれど、有意義な取材となった。
「パターナリズム」に対する根本的な疑問、「そもそもパターナリズムは、本当に自由と対立するものなのか」ということについて、きわめて明確な回答を得たことだけでも大変な収穫である。ずばり、この両者は対立しないのだ。というか、対立は一面的なものであって、自由や自律を確保する不可欠なスパイスとしてパターナリズムは機能する場合も多いというのである。そして、『談』の特集テーマである公共性との関連で言えば、私的領域ばかりでなく公共性の概念を検討するためにもパターナリズムは重要な示唆を与えてくれるというのである。
たっぷり2時間半に及んだインタビューの詳細は、11月末発行予定の本誌をお読みいただくとして、瀬戸山先生のお人柄についてだけ付け加えておこう。先生は、大変ホスピタリティに満ちた人です。研究者は自らの研究も大事だけれど、それと同じくらい教育も大事。学生への指導、コミュニケーションをとても大切にしている。話がわかりやすく面白いというのは当然だとして、なにより、他者を迎え入れるその態度が清々しい。法学の分野にこういう先生がいるということを伝えられるだけでも、次号の発行意義はあるだろう、とこれほんとうですから。
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