政策研究大学院大学教授松谷明彦先生のインタビュー。松谷さんは全国でみれば、今後人口縮小していくのははっきりしている。しかし、東京などの大都市圏に限って言えば、今後も主立ったシュリンキングはない。問題は、その人口の中身だという。高齢人口の割合が急増し、若年層が減少する。労働力の減少、納税者の減少、所得者の減少の中で、高齢人口を支えなければならない状況になるのだ。大都市圏では、一人当たりの財政支出は確実に増大し、社会福祉を受けられない高齢者が間違いなく増加する。大増税か福祉の水準を下げるか、都市住民は、究極の選択をせまられることになるのだ。一方、経済をみると、日本全体で労働人口が2割減少することが予想される。従来のような薄利多売を基調とする企業経営は、見直しが迫られることになる。これまでのように低開発型のビジネスモデルを踏襲するのか、思い切った業種の絞り込みと高価格化路線への転換以外に、日本企業の生き残る道はない。地方都市が危ないと言われ続けてきたが、人口減少は、逆に地方には有利に働く。30年後の地方は今とそう変わらない。問題は、東京を中心とする大都市圏だ。人は減らないのに、高齢者層が急増し、納税者や所得を得る若年層が減少すると、都市は確実にスラム化する。今後大都市をどう維持させていくか、少なくとも、大規模再開発は即刻中止する必要がある。ストックを活かしたリノベーション型の都市更新以外には選択肢はないといってよい。いずれにしても、今後30年は、都市構造全体の大変革期になることだけは間違いないだろう。松谷さんも、東京はシュリンキングしないから問題だという。むしろ、高齢人口の増大こそ、最大の問題なのだ。いやはや、今回もまた団塊さんたちがお荷物になるという話。
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