弊社にて日本政策投資銀行地域振興部参事役藻谷浩介さんのインタビュー。夕張の失敗は、シュリンキングできなかったこと、というところから話は始まった。たとえば、日本の高齢化率をみると、2005年は17.5%だが、2015年には24.8%。約3人に1人が65歳以上という時代が、第2回東京オリンピック(たぶんそれはないだろうけど)を待たずしてやってくる。この数字に驚いた人は多いと思うが、じつは、これは全国平均。東京に限ってみると、45%、さらに75歳以上ではなんと63%になるのだという。全国の団塊世代は、4人に1人だが、東京では3人に1人、その団塊世代が今後高齢化していく。つまり、人口のボリュームゾーンであるところの団塊さんたちが年齢を重ねることで、東京は、年寄りだらけになってしまうというわけだ。地方をどうするかなんて言っている場合ではない。このままいくと、東京こそ日本の大荷物になりかねない。人口縮小というと、再開発で乱立するタワーマンションが空き家だらけになり、大規模商業施設が丸ごとシャッター街になるなんていうイメージを思い浮かべてしまう。しかし、これはあくまでも地方のこと。東京では人口が縮小しないこと、そのことこそが大問題なのだ。家はあってもメンテができない、店はあっても所得がないので何も買えない。そういうお年寄りで、東京はいっぱいになるというわけだ。さあ、どうする。
国内3200市町村の99.9%と海外53ヶ所くまなく見て回った経済のフィールドワーカーの言葉は、とにかく迫力がある。地方財政がどうだとか地方が破綻するとか、言ってる場合ではない。東京が大阪こそが問題なのだ。もう一度繰り返す。さあ、ぼくたちこれからどうすればいいのよ。