出社すると机の上には、贈呈本が3冊。いつも送っていただくあの方からかな、こっちは時々送ってくれるさるお方、これは最近知り合ったあの先生にちがいない…なんてドキドキしながら、封書をひらいてみたら、あらららっ、三冊とも著者は同じ。香山リカ先生。最近は、「月刊香山リカ」状態ですね、と以前ブログに書きましたが、すでにそれも過去のこと。いまや「週刊香山リカ」の時代なんです。というのも、つい数週間前にも『セックスがこわい 精神科で語られる愛と性の話』『いじめるな! 弱いものいじめニッポン』(辛淑玉との共著)を送ってもらっていたからだ。さて、それはともかく、三冊いっぺんに斜め読みして、面白かったのは『うつ病が、日本を滅ぼす!?』。というか、かなりマジで考え込んでしまうような内容の本でした。
「自尊心が強く自分幻想も大きく、他人からの評価には傷つきやすく、落ち込んだかと思うと時には攻撃的になることもある人たちが、ちょっとした挫折をきっかけとして、少し耐えて乗り越えようとすることもなく、次々と「私、うつ病です」と戦線離脱していくと、会社も役所もそのうち成り立たなくなるのではないか」と、香山先生は半ばホンキで心配しているのです。
あとがきにあるように、「うつ病は、現代のペストにも匹敵するような問題」なのか。精神分析家の十川幸司さんは、治療を目的とする薬物の市場拡大がうつ病の患者さんを増加させていると危惧されていました。また、精神科医の春日武彦さんは、うつ病を躁病との関連で捉え直す必要性を提起されておられます。『談』でも、何度かうつ病についてはとりあげてきましたが、深刻な問題なだけに、粘り強く考察をしていく必要性を感じています。その意味で、本書の問題提起はとても重要だと思いました。


研究上も臨床上もうつ病と躁うつ病が全く別の病気として扱われているのはご存知ですか?一人の患者としての私にとって、躁うつ病はかなり「ヤバイ」病気であることは確かです。しかし、それは単極性のうつ病と比較できるものではなく「違うヤバさを持っている」と捉えるべきものと考えています。おそらく社会全体にとってもそうでしょう。
「少し真剣に考えてみようと思いました。」とつぶやく前に少しでもいいから真剣に調べてから発言していただきたいと思います。
「ヤバイ」という言葉の使い方一つとってみてもあまりにも杜撰としか言いようがありません。言葉のプロであるはずの雑誌の編集長がブログとはいえこれでいいんでしょうか?
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