TASCで『談』の編集会議。次号は「音」、次々号は「パターナリズム」。その趣旨と構成案をプレゼンした。「音」の方は、昨年提案させてもらっていて、今回正式な承認を得た。当初、世界音楽という切り口に重心を置き、まだ「音楽」にこだわっていたのだが、今回構成を改め「音」そのものに照準する企画に修正した。「音」を、哲学、音響学、情動を中心とする脳科学といった観点から掘り下げようというものだ。とくに、聴こえない音、静寂、沈黙から、「音」に迫ってみたい。全て対談、ディスカッションにし、澤野×萱野対談で試みたように公開で行い、それを『談』に採録するということを考えている。できれば三日三晩、「音」にどっぷりつかるようなものにしたい。さて、その構成だが、かなり異色のキャスティングを予定していて、実現すればそうとう面白いものになるはず。乞うご期待。

会議の後、その会場になる吉祥寺sound caf? dzumiにて打ち合わせ。なんとこの日打楽器奏者の土取利行さんが来店しておられた。初対面だったのでご挨拶。長年にわたるピーター・ブルックとの作業について、また僕が芦川羊子さんらの仕事をしばらく手伝っていたと言うと、70年代からの舞踏関係とのコラボレーションについてお話してくれた。結局のところ舞踏とは本当の意味でのコラボはできないんだよ、という言葉に、ちょっとショックをうけたけど……。即興というものを常に考え抜いているアーティストの言葉は重く鋭い。貴重な会見だった。