河本英夫先生からDVD作品『ホモ・エクササイズ 生き抜くことへの讃歌』(作・演出◎河本英夫)を贈呈いただく。さっそく見ると、これが面白いのだ。「リハビリの現場をアートとして活用するもので、リハビリとエコを組み合わせたもの」と紹介されていたが、まったくそのとおりである。48分の中に、さまざまなシーンがモンタージュされて、比較的ゆっくりとしたリズムに同期するように、医療と人間、自然とアートが交錯する。なかでも、障害をもった児童とダンスをオーバーラップさせたシーンが強く印象に残った。「病みの身体は闇の肉体に通じ、その極北に舞踏するからだがある」という舞踏家の遺言を座右の銘にしていたぼくにとって、ダンスとはすべからく病いのことであると思い続けてきた。ところが、逆なのだ。いや、逆転することがあるというほうが正確だろう。病いこそダンスそのものであり、すべての身体表現の原基である。ダンスとは、環境に拡がる病みそれ自体なのである。ぼくは、このDVDを見て始めてaffordの意味を、具体として掴むことができた。本来のエコロジーとはこうでなければいけない。それは、身体と環境の終りなきエクササイズのうちに開きゆくものなのだ。次回作は、『メメント・イマジカ 身体の記憶へ』だそうです。
ところで、本編は3月29〜30日に東京芸術大学主催の「ネグリさんとデングリ対話 マルチチュード饗宴」で上映が予定されている。ていうか、アントニオ・ネグリの初来日するこのイベントもすごいぞ。
→ 「ネグリさんとデングリ対話 マルチチュード饗宴」