「レストラン山崎」のオーナー・シェフ・山崎隆さんのインタビュー。「洋館とフランス料理の街 ひろさき」のきっかけをつくった人。木村秋則さんの自然農法栽培リンゴを絞った生ジュースを出してくれる。
山崎さんはじつに活動的だ。フランス料理研究会を開きつつ独立し、氷彫刻をやり、5年前から、洋館とフランス料理のまちづくりを実践してきた。話していて、すごく感じがいい。なんでもそうだが、先駆的なことをやると敵をつくることにもなる。そういう意味の苦労も多かったようだ。「弘前の桜を最初に植えた人は凄いよね。僕も先人は凄いね」とニコニコしながらおっしゃった。
まち歩きをしながら撮影する。お昼に再び山崎へ。そのお味を確かめるため。スペシャル・ランチをいただく。オードブルが、軽くメインディッシュ並みのボリューム。大好きなコンフィ。次はお目当ての木村さんのリンゴの冷製スープ。皆さんおっしゃるように、ほんのり甘くてデザートにしてもいい感じだ。メインは、ここの名物料理イトウ。これも感激もの(メニューを正確に記しておきます。国産鶏モモ肉のコンフィ サラダ添え、木村秋則さんの自然農法栽培りんごの冷製スープ、鯵ケ沢産幻のイトウと帆立のポワレ ほうれん草とラタトゥユ添え/木村秋則さんの自然農法栽培りんごの薄焼きパイ アイスクリーム添え/コーヒー)。
再び、撮影。タクシーで弘前城公園北門(亀甲門)向かいの重文・石塚家住宅を撮影。さらにその周辺が「仲町伝建地区」に指定されているので家並を撮影。とくに、「旧伊東家」「旧梅田家」が美しい。余分なものを削り取った丹精な構成が、モダニズム建築のそれを思わせる。開口部を開け放っていると、まるでミースのサモア邸のようにすら見えるから不思議だ。
タクシーで弘前商工会義所係長・木下克也さんを訪ねる。商工会議所として今取り組んでいるまちづくりについて、それと観光課との連携。途中からファッション甲子園事務局次長・村谷要さんが加わる。
日が沈む前に取り残した物件「青森銀行記念館」、「旧東奥義塾外人教師館」、「ミニチュア建築園」を撮影する。「旧東奥義塾外人教師館」の1階は、「サロン・ド・カフェ・アンジェ」、往時のままのソファに腰を埋めてお茶する。最後の取材はタウン誌『TEKUTEKU』の代表で弘前下土手町商店街振興組合の宮川克己さんにインタビュー。この雑誌は、タウン誌としては出色の出来。編集コンセプトがいいし、プロには考えつかないような切り口と構成で、読み手を惹きつける。地方にもガンガンやっている人はいるのだなあと改めて思う。その雑誌を購入。昨夜飲んだ純米吟醸の豊杯倶楽部とリンゴのお菓子をお土産に買う。今回も、実り多い取材だった。