香山リカさんから『「悩み」の正体』を贈呈していただきました。
「嫌われるのがこわい」「働いても生活できない」「まじめに生きてきたのに」…。競争が煽られ、効率性が求められる一方で、「場の空気」を読むことも要求される。心の余裕がどこか失われた社会の中で、人々の抱える「悩み」の中身も変わってきています。以前なら悩まなくてもよかったようなことまでが、今では多くの人にとっての大きな「悩み」になっています。しかも、悩み始めたら始めたで、「あなたはうつ病なのだから、病院に行って薬をもらってきなさい」とか、「マイナス思考にとらわれるのは人生のムダ。一刻も早くコーチングをうけなさい」なんて言われてしまいます。「いったいいつから、「考え込むこと」や「足踏みすること」は病的で悪いこと、すぐにとりのぞかれなければならないこと、とみなされるようになってしまった」のでしょうか。「悩み」となっているのは、それはその悩める本人の責任ではなく、むしろ社会や世間の問題なのではないか」。そして、「私たちにとって本当に必要なのは、不安のうちに悩まなければならないことではなくて、安心して"本来の悩み"を悩める社会」ではないか、と香山さんは提言します。
現代人の「悩み」の背景を解きほぐしながら、今、私たちは「悩み」とどう向き合うべきか、いまどきの「悩み」と上手に付き合う方法を探ります。
「悩み」の正体