「C&L」の企画委員会。3月発行予定の「ジェイコブスの特集」について。それ以外に企画3本プレゼン。ジェイコブスの特集は題して「ジェイコブスの宿題」。
「誌上シンポ」のひとつがジェイコブスの四つの原則を再考しようというものだったが、「ジェイコブスはこう読め」も含めて、これまでのジェイコブス再評価の延長にある。経済学徒としてのジェイコブスという視点は確かに面白いが、全体に新味がないというのが皆さんの共通した感想。日端先生は「五感の人」ジェイコブスの近代都市批判者の側面は一環していて、しかし、それが近代都市を乗り越えようとしている時に有効性をもちうるかというと疑問だという。四つの原則はあくまでも対症療法でしかなく、理想としての都市モデルを提出したわけではなかったとおっしゃる。陣内先生は、理念なき日本の都市の現状を見るとジェイコブスに見習うべきところはいっぱいあるけれども、あまりにもそのギャップが大きすぎる。日本の都市が酷すぎるというのである。林先生は、もう少し新しい視点が出せないと、面白くないという素朴だが一番的を突いた意見。
しばらく三人でジェイコブスを題材にそれぞれの都市論を披露される。これを聞いていたら、いいアイデアが浮かんだ。いっそ三人でディスカッションをしてみたらどうだろうか。その案をもちだすと、三人とも難色を示したが、しつこくお願いしたので、結局やることになった。もちろん安易にそうしたいと思ったわけではなくて、今まさに話し合われたことが、ジェイコブスの今日的な読みであり、また探りたいと思っている疑問への解答であったからだ。
日端先生の理解・評価と陣内さんのそれが、微妙に重なりつつもその着地点には大きな開きがあるように感じて、それもまた興味深かった。林さんがファシリテーターをかってでてくれるというので、これで決り。本年最後の座談会となる(そういえぱ、去年もこのメンバーに小谷部先生が加わって座談会やったなぁ)。