『TASC monthly』用の公開座談会をTASCにて開催。テーマは『健康オタクの登場……健康のオタク化現象はいつ始まったか』。出席者は、東京国際大学人間社会学部専任講師・柄本三代子さん、日本学術振興会研究員・眞嶋亜有さん。司会進行を科学ジャーナリストの粥川準二さんにお願いした。
血液サラサラ、メタボリックシンドローム、コエンザイム、アンチエイジング、茶カテキン、ギャバ、などなど。ワイドショー、バラエティ番組では、連日、健康情報がネタになっている。健康情報にふりまわされてリスクをどんどん増やしては悩んでいる人々が多い中、健康になることそれ自体を目的とする人たちが登場してきた。健康にいいとなれば手当たり次第に試したり、山のようにサプリメントを買い込んでは、一日に何十錠も飲んでいるような健康にまい進する人。彼(彼女)をここではとりあえず健康オタクと呼び、そのオタク化の背景や動機を探ろうというのが狙いであった。
テレビなどのマスコミによる「おどし」の構造が、今ではテレビの外の世界にも広がっているという指摘から、健康が手段から目的になったのはいつごろからか、健康へ向かう意識と美しくなりたいという意識は同じか違うか。病気の売り歩きという現象が起こっていて、いままで病気でなかったものに病名がつけられることで病人が人工的につくり出されていく現実。その背景には、ドゥルーズが予言した規律権力から管理社会へのシフトという大きな社会の変化があること。外見至上主義と健康至上主義のはざまで消費者は揺れ動いているのではないかという問題提起に、そもそもそうした健康観そのものが成り立っている社会構造こそ問題という反論。「成人の9割以上がメタボリック・シンドローム」という言説は、今や健康がリスクマーケティングの格好のターゲットになっていることを示している。はたして、この現状を商機と見るか危機と見るか。予想した以上に、白熱した議論が展開された。詳しくは、『TASC monthly』でお読みください。
血液サラサラ、メタボリックシンドローム、コエンザイム、アンチエイジング、茶カテキン、ギャバ、などなど。ワイドショー、バラエティ番組では、連日、健康情報がネタになっている。健康情報にふりまわされてリスクをどんどん増やしては悩んでいる人々が多い中、健康になることそれ自体を目的とする人たちが登場してきた。健康にいいとなれば手当たり次第に試したり、山のようにサプリメントを買い込んでは、一日に何十錠も飲んでいるような健康にまい進する人。彼(彼女)をここではとりあえず健康オタクと呼び、そのオタク化の背景や動機を探ろうというのが狙いであった。
テレビなどのマスコミによる「おどし」の構造が、今ではテレビの外の世界にも広がっているという指摘から、健康が手段から目的になったのはいつごろからか、健康へ向かう意識と美しくなりたいという意識は同じか違うか。病気の売り歩きという現象が起こっていて、いままで病気でなかったものに病名がつけられることで病人が人工的につくり出されていく現実。その背景には、ドゥルーズが予言した規律権力から管理社会へのシフトという大きな社会の変化があること。外見至上主義と健康至上主義のはざまで消費者は揺れ動いているのではないかという問題提起に、そもそもそうした健康観そのものが成り立っている社会構造こそ問題という反論。「成人の9割以上がメタボリック・シンドローム」という言説は、今や健康がリスクマーケティングの格好のターゲットになっていることを示している。はたして、この現状を商機と見るか危機と見るか。予想した以上に、白熱した議論が展開された。詳しくは、『TASC monthly』でお読みください。
私は、体験的には、健康が観念化するのは、という表現が適切かどうかわからないけど、健康が目的化した、それをオタク化というなら、その始まりは、やはり80年代だと思います。
マスコミやテレビの「おどし」ということもあるだろうけど、システムとしては工業に続いて供給過剰状態になったメディア(紙や印刷の値下がり、そのあとの安い電子メディアの大量生産など)があったと思います。そのなかで、自ら脅迫観念に陥ったのが「健康」だろうと。
では、なぜ日本人が、そのようなことになったかというと、……と書いたのだけど、文字数が多いというので削りました。なにしろ、酔っているもので、すみません。またね。