NHK芸術劇場で「カフェ・ミラー」を見る。今年4月に観た国立劇場の録画。そのあとピナ・バウシュへのインタビュー。「カフェ・ミラー」は、彼女の作品で唯一ピナ自身が踊りを披露したもの。その誕生の秘密が明かされた。そのほかに、ブッパタール舞踊団が埼玉で上演するために、1か月にわたって日本全国を行脚した様子を撮影した秘蔵ビデオを紹介。ピナは自分を口下手で恥ずかしがりやというが、演劇評論家・貫成人さんの質問には饒舌に応えていた。それにしても、驚いたのは彼女の指から一度として離れることのなかったたばこ。ほとんどたばこを指にはさんでのインタビューだった。そうとうなヘビースモーカーのようだ。身ぶり手ぶりをまじえながら、そのたびにたばこが宙を舞う。「あっ灰が……」という心配をよそに、そんなことは意に介さずとばかり、熱心に語りつづけるピナ。さながらその様子はシガレットのダンスのようだった。 なんと優雅でシャレた紫煙の踊り!!