NHK芸術劇場で「カフェ・ミラー」を見る。今年4月に観た国立劇場の録画。そのあとピナ・バウシュへのインタビュー。「カフェ・ミラー」は、彼女の作品で唯一ピナ自身が踊りを披露したもの。その誕生の秘密が明かされた。そのほかに、ブッパタール舞踊団が埼玉で上演するために、1か月にわたって日本全国を行脚した様子を撮影した秘蔵ビデオを紹介。ピナは自分を口下手で恥ずかしがりやというが、演劇評論家・貫成人さんの質問には饒舌に応えていた。それにしても、驚いたのは彼女の指から一度として離れることのなかったたばこ。ほとんどたばこを指にはさんでのインタビューだった。そうとうなヘビースモーカーのようだ。身ぶり手ぶりをまじえながら、そのたびにたばこが宙を舞う。「あっ灰が……」という心配をよそに、そんなことは意に介さずとばかり、熱心に語りつづけるピナ。さながらその様子はシガレットのダンスのようだった。 なんと優雅でシャレた紫煙の踊り!!
コメント一覧 (3)
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- 2006年08月18日 13:01
- ぼくもこの番組見てました。ダンスはもちろん素晴らしいけれど、彼女のしなやかな身振り、美しいたたずまい、気品のある表情にも惚れ惚れ。いつか生で見てみたい・・・。
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- 2006年08月19日 08:43
- ぼくは以前ここに書きましたように、日本での初演と今回と2度見ました。ピナ自身のダンスは、誰のものとも違います。いわゆるダンスを見なれた者にとっては、あのどこがダンスなの? といわれそうなほど、何にも似ていない、ワン&オンリーな踊りです。身体は、いったい何をするためにそこにそうして在るのか、在り続けるのか。ピナの思いは、この一点に向かっていきます。しかし、身体とは志向性の原基とはいえ、それと在り続けることとは別です。彼女の身体が視るものをして驚愕せしめるのは、この持続ということが恐ろしいほどの強度でその場に出現するからです。持続する身体。それは魔物ですよ。ぜひ、機会があったら視ることをお奨めします。
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- 2006年08月19日 15:13
- ”物”でも”生きもの”でもなく身体が現れるのでしょうか。それは生で見なくては分かりませんね。強度を体感したい。いつか必ず見ます。
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