小泉義之さんの新刊『「負け組」の哲学』(人文書院)を贈呈していただきました。グローバリゼーションが猛威をふるう中で、このゲームに負けないというのではなく、いかにして「勝ち負けの無いゲーム、得失の分配の無いゲームに変えること」がてきるか、そのための理論的、実践的闘争を準備するのが本書の趣旨だと書かれています。いくつかのメディアに書かれたものを一冊にまとめられたのが本書ですが、共通するのは「(…)愚劣なものに対する憤りであるが、それ以上に、外部の他者に対する信頼であると言っておきたい」。「(…)外部の他者たちが相互に取り交わしている絆、それを信頼し、それに学び、それを守り広げることだけが、われわれに課せられていることである。われわれが、外部の他者を解放するのではない、外部の他者こそが、われわれを解放するのである」(序より)。常に、ロジカルかつプラトリカルな方法を模索し続ける小泉さんの快心の一冊。ぜひ書店でみつけたら、手に取ってみて下さい。
ところで、本書には編集を手伝っているWebマガジン「en」に寄稿いただいた「知から信へ」の一編が収録されています。思えば原稿依頼で立命館大学におじゃましたのは、04年の4月27日。その時に、ちゃっかり『談』のインタビューのお願いもしました。インタビュー後も、金森修さんとの対談をお願いしたり、それ以来すっかりぼくは小泉シンパです。今後も、いろいろ企画してますので、どうぞよろしく(この場を借りて)。
「負け組」の哲学