小林健二さんの展覧会「XISTUM-怪物の始まり-」を見る。怪物たちの集う世界。夢の中の夢の広場。そこに夜毎集まる歓喜、悲しみ、希いといった記憶という名の怪物たち。かれらは、何を見ているのだろうか。ゾーエー、大気、それとも憂鬱? ひさびさに、小林健二ワールドを彷徨った感じ。鉱物の見る夢の世界から、怪物たちの棲まう神話の界面へ。ぼくは、小林健二さんの物質の記憶ともいえる形象に何度となく魅了させられてきたが、今回の作品は、なかでも強くぼくを惹き付ける。物語なき時代にあえて物語を構想しようとする小林さんの夢の力が働いているからかもしれない。「ヒルコ」と「イェミル」がとくに好きだ。会場で「Nature interface」編集長の田井中麻都佳嬢と落ち合う。
表参道ヒルズ地下3階にある『BISTY'S』(ビスティーズ)へ。ここはプリペイドカード方式で、ワインを試飲できるワインバー(店サイドではブラッセリーバーと呼んでいるらしい)。以前入ったことのある彼女はぼくにチャージさせて、ここでまた美味しいワインを飲もうと企んでいた御様子。まんまとその術中にハマってしまったというわけ。とはいえ、簡単にいえばワインの量り売り。普段大枚をはたいても飲めないようなワインを楽しめる(少しづつだけど)のだから、うれしい。トスカーナ好きにはたまらないブルネッロ・ディ・モンタルチーノとボルドーのポムロールなどをいただく。ちなみに「モンドビーノ」で有名になったオーパスワンの01は、20mlで1540円。20ml ってワイングラスに1/4ぐらい。3000円チャージしても二人では飲めません。ボトルだと31500円。レストランであければ確実に5万円はとられるから安いことは安いのだけれど、やめました。田井中嬢と、ひさしぶりに人間の内面におけるジェンダーについて話し合った。っことでもなくって、ようするに表面上与えられている男性と女性と、意識や気持ちにおける性はちがうよねというよくある話。ほくは女ごころを、彼女は男ごころをもっているようなので、ちょっとややこしい。けれども、この手の話、ずんずん進んでいくととても面白いことになってくるって知ってました? そして夜はふけていくのであった。ん!?