Sigur Rosのライヴ(SHIBUYA AX)を見る。Sigur Rosは、アイスランドの4人組アーティスト。ダークネスで深淵で唯美主義的なメロディと爆音の合体。音響派の異端児ともいえるその特異なパフォーマンスは、常に称賛で迎えられてきたという。実際に彼らの演奏に接してみて、それがウソでもお世辞でもないことがわかった。オールオーバーな音響世界は、あたかも氷の神殿の聖歌のようだった。去年FRFに出てたんだよな。ロスロボスのステージと重なり、そっちを優先したことが今になって悔やまれる。これを霧雨に包まれた山岳地の野外ステージで、しかも雨雲が低くたちこめるまったき夜に聴いたとしたら。ほとんど立ち直れずに、しばらくそのまま立ち尽くしていたにちがいない。とにかく凄いの一言。アイスランドといえばビョークが有名だが、この北方の国には、まだ知られていない怪物たちがたくさんいるのかもしれない。北極圏を越えたことはあったが、アイスランドにはまだ足を踏み入れていない。こんな音をつくり出すアーティストが暮らす土地とは、いったいどんなところか、俄然興味がわいてきた。Sigur Rosの音の源流を訪ねるという企画書でもつくってみようかな。「氷の国のまちづくり」とか。
コメント一覧 (5)
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- 2006年04月05日 21:59
- アイスランドの音楽もよいですが、アルゼンチンの音楽もすばらしいものがたくさんあります。ぜひ聞いてみてください。
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- 2006年04月06日 01:51
- コメント感謝です!
アルゼンチンの音響派聴いてますよ。
ROVO周辺から入ったんですが、
「Kirie Kabusacki Tokyo Session」を買ってスゲーッて思い、
「Buenos Aires Session: Vol.#1: Chichipio」も買いました。
そんで、お決まりのコースで
「Tropicalismo Argentino」ですよ。
もちろん、7月7日のROVOとのコラボもいきます。
北と南、じつは地中でつながっているんですよね。
ブエノスアイレスのカミニートの港で、
ワインを飲みながら油に汚れた海をながめながら
それを確信しました。
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- 2006年04月06日 16:57
- はじめまして。
3月に渋谷でアイスランド映画祭があったのですが、
ランドスケープ映画に生の音源をつけるという試みが
あったりして、興味深かったです。
しかもその音をつけたのが沖縄のミュージシャン。
果てと果てはつまるところ、
イコールで結ばれるのかもしれませんね。
「氷の国のまちづくり」という企画おもしろそう!
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- 2006年04月07日 01:21
- コメントありがとうです。アイスランドの風景に沖縄音楽! ぜんぜんいいんじゃないですか。ぜったいアリですよ、それは。ヘルシンキのショッピングモールで、路上ギグしていたペルー人に、おまえもペルーからきたのかと言われた時はびっくりしましたが、なにより、コートの襟をたてながら聴いた「コンドルは飛んでいく」が、とても印象的でした。すごく合ってたんですもの。じつはその翌年、こんどはクスコで、フィンランドからきた若者に声をかれられたんです。スカンジナヴィアに暮らしている人って結構世界を歩きまわっていて、ハバナでは、La Bodequita del mesioで静かにモヒートを飲んでいた中年女性に遭遇したこともありました。たぶん、地下トンネルでつながっているのは、まちがいないでしょう。そういえば、鉱物学者リーデンブロック教授が、すでに前世紀に北から南に地底探検していたじゃありませんか!
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- 2006年07月14日 23:38
- アイスランドの音楽を中心に扱っています。おっしゃる通り、シガーロスやビョークだけでなく、周辺にはとても個性的で芯の通った音楽をクリエイトするアーティストが数多く存在しています。アイスランドについて、特にレイキャヴィークのアーティスト・コミュニティやその背景はとても興味深いものがあり、商業主義的なものと良くも悪くも無縁なので、芸術=自己表現という純粋な形が残っている、珍しい国かとも感じています。
・・・というようなことを、もっと多くの人々に知っていただきたいので、ぜひ今回のシガーロスをきっかけに、いろいろなアイスランドのアーティストに触れていただくことを願っています。ぜひこちらのブログにもお立ち寄りくださいね!http://icelandia1.exblog.jp/です。