「喫煙を受容しうる社会的システムの研究会」の第6回。本日のゲストスピーカーは、千葉大学工学部デザイン工学科教授・清水忠男さん。ユニバーサルデザインの観点に基づく製品・環境のあり方、デザインへの展開がご専門。今回のテーマは、「共存のための製品・環境デザインの可能性」。「喫煙はなぜ周囲から嫌われているのか、その理由に対して、製品や環境デザインがなんらかの解決先を提示できないか」と、非喫煙者の立場から発言していただいた。清水さんは、喫煙者の言う「たばこをのむ至福のとき」という言葉に着目し、現在の分煙施策の問題点は、喫煙者から「至福のとき」を奪い、また、喫煙者の「至福のとき」を非喫煙者が理解しないところにあるのではないかと言われた。喫煙/非喫煙ときっちり切り離すのではなく、さりげなく共存しあう関係をつくり出せないか。空間デサインはこのテーマにもっとアプローチすべきだと提言する。「休憩用の喫煙スペースを、一般の休憩スペースの一部に組み込んではどうか」という発言は、さすがユニバーサルデザインをやられている研究者だからこそ出るアイデアだとは研究会参加者の声。これまで抽象的な議論が続きやや煮詰まり気味。そこに具体的な提案が出されて再び研究会も息を吹き返したという感じだ。僕的には、喫煙規制、分煙化の流れは、マイノリティやエスニシティが抱える問題と多くを共有している。それがわかっただけでも成果として十分。さて、来週が最後。今回のように議論を盛り上げて終わりたいものだ。