一昨日のこと。写真家・畠山直哉さん、「ネイチャー・インタフェイス」編集長・田井中麻都佳さんとGrill&Wine Bar Arossaで会食をした。目的は、もちろん食事もあるけれど、うちで編集しているメーカー系PR誌のヴィジュアルページに畠山さんの「BLAST」を1点借用掲載するため。畠山さんとは一昨年お会いして以来だ。あいかわらず精力的に活動されていて、今年もすでにいくつか内外で展覧会が予定されている。3月には米国Nazraeli Pressより『ATOMOS』以来の写真集『Zeche Westfalen ?/? Ahlen』が発行になる。「色校正が出たところなんだ」と見せてくれた。森美術館で開催された「六本木クロッシング:日本美術の新しい展望2004」 で初公開された、巨大鉄鉱工場の爆破直後の風景も含まれている。含まれているというよりも、その爆破された工場がテーマだ。まるでフリードリッヒの世界じゃないかと、初めて見た時思わず叫んでしまった氷河のような崩壊した構築物作品。ドイツロマン派を彷佛させる「凍れるランドスケープ」は、畠山さんの真骨頂。畠山さんと5年前に旅したルール工業地帯「エムシャーパークプロジェクト」がきっかけとなって生まれた作品であるだけに、ぼくとしても感慨深いものがある。20世紀とはなんだったのか、モダンとは何をいうのか、はたまた表現とは、写真とは……、畠山さん田井中さんとの対話に時間も忘れ、気がつくと時計の針は12時をとっくに回っていた。
ひさしぶりに「話をした」という濃い(濃厚スープのような)一日となりました。ところで、この店Arossaは、常時オーストラリアワインを200種類以上揃えているというレストラン。料理はモダン・オーストラリアといってますが、イタリアン、フレンチのミックス、オーストラリア風多国籍料理といったところ。予想とは裏腹に(すんません、なんせ初めてなもんで)、料理がとても美味しかった。すべて手作りというパンやお菓子がまたよかった。ここはかなり穴場ですぞ。ちなみに本日のワインは、畠山さん推薦のPenfolds Cabernet Sauvignon BIN 407 2001(赤)。というのも、彼はPenfolds(ワイナリー)を取材撮影で訪れたことがあるんだって。オーストラリアのカベルネ、これもまた当たりでした。