東京農業大学教授小泉武夫先生のインタビュー。酒造りの極意をおしえて下さい、と頼んだら、「ぼくは杜氏じゃないからそんなことはわからん。ただこういう極意ならわかるぞ」と話してくれたのが、酒を美味しくいただくコツ。美味しい酒をもっともっと美味しくするとっておきの極意を開陳していただいたのだ。一に肴二に肴。なんといっても肴。そして大事なのは酒の肴との相性。それから粋というのも忘れてはならない。美味い料理としゃれた空間があれば、そこにある酒はあなたのためにとっておきの秘密をみせてくれる。なんじゃこりゃ、恋愛指南かいな。というわけで、酒造りとは、飲み手側の、またサーブする側の知恵や技術と相まってはじめて発揮されるものなのであり、あえていえば極意とはその三者の恊働そのものなのである。当たり前と言えば当たり前。でも、原点はやはりそこにあるんでしょうね。インタビューに同行していただいた大衆食の会代表エンテツさんに「あなたにこれをあげましょう」と差し出されたのが焼酎。これは小泉さんお薦めの一本。琉球泡盛・八重泉(沖縄県石垣市)。それと桐の箱に入った清酒粕・銀花水月(松本市岩波酒造/1985)。なんとカストリ焼酎の古酒だ。で、エンテツさんを強引に事務所にひっぱってきて、ご相伴にあづかった。もちろん美味しかった! エンテツさんごちさそうさま。