「喫煙を受容しうる社会システムの研究」の第4回。本日のゲスト・スピーカーは東京大学大学院法学政治学研究科教授・井上達夫さん。大学時代は3年間で博士論文を書かなければならないという激しいプレッシャーのために、チェーンスモーカーだったそうだが、それを終えて解放されたら、すっかりたばこ嫌いになっていた。25歳で「離煙」(!?)し、以来25年間は「蔑煙」期。ところが、50歳になったのをきっかけにシガーと出会い、「復煙」。今は、優雅にシガー・ライフを愉しんでいるという。こうした自分史を手がかりに、「嫌煙の心理と論理」、「喫煙者と非喫煙者の共生の作法」をお話いただいた。フーコーの「快楽の活用」「自己への配慮」を参照しつつ、禁欲は欲望をより深いものにするのであれば、充足的喫煙という方法もありうるのではないか。つまり、シガレットをのべつまくなしに口にくわえているよりは、1本のシガーを特定の場所でゆっくりと時間をかけて吸う。こうしたたばこの愉しみ方もあるのではないかという。要は、たばこを「嗜む」こと。これもまたたばこ文化の創造につながってくる提案だろう。そのためには、1本千円のたばこを売り出してもいい。ハイクオリティを売りにして。このアイデア、ぼくもずいぶん前に冗談まじりでTASCに言ったことがある。一笑に付されたけれど。案外いいかもしれないですぞ。シガレットがファスト・フードなら、シガーはスロー・フード。ROHAS的たばこって面白くないか。
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