我が家の書庫の整理。最初に勤めた編集プロダクションで制作した『ポリセント』が出てくる。この雑誌はそのプロダクションのPR誌。というか、ぼくらが勝手につくってしまった同人誌のようなもの。2号で休刊になったが。そのなかにぼくの寄稿した「逆立ちしたディチャーチン」というエッセイがあった。すっかり忘れていたが、読み直してみたらそれなりに面白かった。アフガン進攻で参加ボイコットが相次いだモスクワオリンピックの体操競技で個人総合優勝を果たしたのがアレキサンドル・ディチャーチン。この選手の身体は、妙になまめかしくて、そのしなを作ったポーズはベラ・チャフラフスカ(東京オリンピックで3つの金)を彷佛させたという。ところが、同じモスクワの女子体操の覇者コマネチの身体は逆に少年のそれと同じ。この年1984年、人類における男性性と女性性の大逆転劇が起こったというおち。ぼくのセックス、ジェンダー、セクシュアリティに関する考えは、25年前からちっとも変わっていなかったのだ。はたして、早熟だったのか、単に進歩がないのか。たぶん後者だろう。余談ですが、この雑誌には、あのえんてつさんも寄稿しているよ。
コメント一覧 (3)
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- 2005年05月29日 21:35
- えんてつさんこんにちは。
出てきたのは、その創刊号でした。江原恵さんの「カレーライスの可能性」、もちろん載ってますよ。江原さんは、カレーライスの可能性を日本の料理文化自体に内在する類い稀なる応用可能性と捉えています。その後、世界商品として大ブレイクしたインスタントラーメンの今日的状況を予想しているようでもあります。江原さん、やはり先見のめいがありましたねぇ。さっそく、コピーしてお送りしましょう。
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- 2005年05月29日 22:34
- どうもさっそくありがとう。
その江原さんの「カレーライスの可能性」は、とてもおもしろかった記憶があって、そのわりには「カレーライスの話」ではイマイチだったなという印象で、「汁かけめし快食學」でそのへん補いたかったのだけど、「ポリセント」がないのでアキラメていたのであります。やれ、うれしい。
それより、江原恵さんの「カレーライスの可能性」とかいうの載ってないかな。たしか最初の号だったような気がするけど。あったら、コピーほしい。