『談』no.74号「ゾーエーの生命論…メディカライゼーションへの抗い」で、クローン技術、ES細胞を題材に人体の資源化について鋭い批判を展開しているフリージャーナリストで科学技術評論の粥川準二さんをインタビューする。テーマはズバリ「人体の資源化と医療化の関係」。粥川さんは、クローン技術といえばクローン人間、ES細胞といえば受精胚(受精卵)のことだけが問題にされてきたことに強い危惧をいだいてきた。ES細胞をクローン技術と結び付けることによって再生医療の道が拓かれる。治療を目的とする「セラピューティック・クローニング」は、「リプロダクティブ・クローニング」同様、大きな問題を孕んでいる。それは、人体の資源化を促進する技術だからだ。何が一番大きな問題か。この技術にはたくさんの卵子が必要となることである。「セラピューティック・クローニング」、すなわち、クローンによる医療は、女性の身体を資源化することなのだ。しかも、卵子の提供者である女性には、一銭の見返りもないのである。この非対称性! 急激に進行するメディカライゼーションの陥穽を暴きだしてもらった。

クローン人間

資源化する人体

クローン人間

資源化する人体
このブログにコメントするにはログインが必要です。
さんログアウト
この記事には許可ユーザしかコメントができません。