某雑誌のための対談にギャラリーで参加。科学史の村上陽一郎さんと五十嵐太郎さん。内容は、そのうち話すとして、一つ面白かったのは、過去の科学的発明・発見を現在時点からたどり直した時に、もしも違う要素が入り込んでいたり、別の目的をもっていたら、まったく違うものになっていた可能性があると、村上さんがぽつりと最後におっしゃったことだ。たとえば、原子力というものが、端緒において新型兵器の開発から始まっていなかったら、ぜんぜん今とは異なったものに発展したかもしれないというのである。科学技術には、そういう側面がある。このことはもっと研究されてもいいと。『談』の企画にもヒントになる提言だ。