第一生命ビルへ。一階の郵便局のとなりに喫茶室があるのを発見。予定時間より早くついてしまったので入ると、林先生と太田さんがすわっていらっしゃる。それに初見の奥田先生。奥田先生は立教の名誉教授。兼任講師だと伝えると、過去に都市デザインの学部をつくる話があったというお話。そのあと、『city&life』の企画委員会。理事会で『C&L』は好評だったといううれしい情報。企画会議も大変盛り上がり、各先生方から活発な意見とやりとり。次号は「サイクルシティ」で決定。
都市
大阪府立大学助教授・酒井隆史さんと3月に予定している「交流会」の打ち合わせ。TASCの岡本所長、新留さんと新宿BERGで待ち合わせて、そのままルミネエストの韓国家庭料理の店へ。酒井さんは1週間ほど前から風邪気味でまだ完治していない様子、すごくつらそうだった。「交流会」の段取りなどをざっときめて、あとは雑談。
酒井さんは、最近上京すると浅草詣をしているとのこと。それとなく聞き出すと、大衆娯楽についていろいろ調べていて、なんと宝塚も見ているというではないか。じつは、ぼくもレビュー文化と都市の関わりをテーマに、かなり前からエノケン、ロッパ、田谷力三、そしてペラゴロを中心に資料を集めていたのだ。一時は宝塚のムラ(大劇場)にも何度も通ったこともコクる。どうやら酒井さんも同じようなラインで関心をもっているらしい。浪曲や大衆演劇まで視野に入れているというから、これはかなり強力なライバルの出現である。ぼくの場合は、少女の大幽閉、交通都市、歌舞音曲のポリフォニーという三つの切り口を考えているのだが、おちおちできませんね。アイデアだけでは勝てそうにないので、ここはひとつ協力して……、なんてことにはならないだろう、絶対に。でも、なんか面白いことが起こりそうな気がした。なんだか、昨日と同じだな、これって。
酒井さんは、最近上京すると浅草詣をしているとのこと。それとなく聞き出すと、大衆娯楽についていろいろ調べていて、なんと宝塚も見ているというではないか。じつは、ぼくもレビュー文化と都市の関わりをテーマに、かなり前からエノケン、ロッパ、田谷力三、そしてペラゴロを中心に資料を集めていたのだ。一時は宝塚のムラ(大劇場)にも何度も通ったこともコクる。どうやら酒井さんも同じようなラインで関心をもっているらしい。浪曲や大衆演劇まで視野に入れているというから、これはかなり強力なライバルの出現である。ぼくの場合は、少女の大幽閉、交通都市、歌舞音曲のポリフォニーという三つの切り口を考えているのだが、おちおちできませんね。アイデアだけでは勝てそうにないので、ここはひとつ協力して……、なんてことにはならないだろう、絶対に。でも、なんか面白いことが起こりそうな気がした。なんだか、昨日と同じだな、これって。
再び銀座の路地を歩き回る。配管が露になっていたり、荷物が積み上げられていたり、自転車が置かれていたり。通路としての機能が完璧に満たされているわけではないけれど、銀座の路地は、一種独特の風情があるのも事実だ。それにしても猫によく出くわす。トラちゃんやミケ、ウシがら、貫録十分どす黒いのもいる。月島や京島の細い路地の日だまりで昼寝している猫ちゃんもいいけれど、銀座のど真ん中の狭い路地を根城にしているちょっとノワールな猫たちも、なかなかいいですよ。
大和西大寺へ。徒歩で平城宮跡へ。平城宮跡の保存運動に尽力した棚田嘉十郎について調べるため。広い、とにかくだだっ広い。東京ドーム30個分はたぶんホントだろう。二条町から平城宮跡資料館を横目で見ながら、復元工事中の第一次大極殿を見る。平城京跡保存記念碑を確認し、東側にはり出している第二次の方も見る。踏み切りを渡って朱雀門へ。こちらは、平城京跡と違って、整備されている。ただし、月曜日だったので、朱雀門の扉は閉まっていた。奈良駅に戻る。奈良町を散策。よさげな路地が沢山あり、乙女ごころをくすぐようなかわいいものを売るリノベ物件多し。ちょっと金沢風か。
夕方奈良女子大学へ。文学部の浜田寿美男先生の研究室を訪ねる。浜田先生には、『談』no62で「自白の言語学……なぜ私はうそをつくのか」というテーマでインタビューをさせていただいた。今回は、『TASC monthly』の原稿依頼のため。最近の関心はなんですかと尋ねると、「痴漢だよ」とおっしゃる。なんでも痴漢の裁判を4つほど鑑定しているらしい。痴漢という行為の特殊性について一つの例をお話してくれた。
痴漢をした(と思われる男性)、されたと思われる女性ともに、じつは相手のことをほとんど覚えていないらしい。行為のあった場面で女性は大声をあげたためにその場にいた男性が取り押さえられた。女性は、逃げ出さないようにと男性のネクタイを掴んではなさなかったらしいのだが、取り調べの時には、その事実をまったく忘れていたという。男性は、容疑がかけられて、羞恥心と怒りで頭は真っ白、なんと肝心の訴えられた女性の顔すら覚えていないというのである。とにかく、細かいディテールになると、お互いの記憶はあいまい。痴漢は、記憶のいい加減さを実証する格好の材料のようだ。そして冤罪について考えるためにも。犯罪心理学、あるいは記憶研究という視点から、しばらく痴漢の裁判記録を読んでみようと思っていると。ちなみに、周防監督の「それでも私はやっていない」は、いい映画だったよとおっしゃってました。
夕方奈良女子大学へ。文学部の浜田寿美男先生の研究室を訪ねる。浜田先生には、『談』no62で「自白の言語学……なぜ私はうそをつくのか」というテーマでインタビューをさせていただいた。今回は、『TASC monthly』の原稿依頼のため。最近の関心はなんですかと尋ねると、「痴漢だよ」とおっしゃる。なんでも痴漢の裁判を4つほど鑑定しているらしい。痴漢という行為の特殊性について一つの例をお話してくれた。
痴漢をした(と思われる男性)、されたと思われる女性ともに、じつは相手のことをほとんど覚えていないらしい。行為のあった場面で女性は大声をあげたためにその場にいた男性が取り押さえられた。女性は、逃げ出さないようにと男性のネクタイを掴んではなさなかったらしいのだが、取り調べの時には、その事実をまったく忘れていたという。男性は、容疑がかけられて、羞恥心と怒りで頭は真っ白、なんと肝心の訴えられた女性の顔すら覚えていないというのである。とにかく、細かいディテールになると、お互いの記憶はあいまい。痴漢は、記憶のいい加減さを実証する格好の材料のようだ。そして冤罪について考えるためにも。犯罪心理学、あるいは記憶研究という視点から、しばらく痴漢の裁判記録を読んでみようと思っていると。ちなみに、周防監督の「それでも私はやっていない」は、いい映画だったよとおっしゃってました。
経済学者の宇沢弘文さんにご自宅でインタビュー。門の呼び鈴を鳴らすと、先生自ら外の玄関まで出てらして扉を開けてくれました。トレードマークの赤いベレーを自宅でも着用。うかがえば、これはバスク民族へのリスペクトなのだとおっしゃる。そうでしたか、納得。奥様が入院なさっているとのことで、コーヒーとお菓子などをせっせと運んでくださるのです。しばらく外に出ていかれて戻ってこられた時には、焼酎とビールの入った袋をぶら下げておられました。「そうそうワインが残っていた」と、ぼくたちに仏ワインを注ぎ、ご自分は焼酎のお湯割り。まあ、ゆっくりやりましょうと、そしてニコニコしながらインタビューは始まったのでした。
まだ、10時30分です。でも、勧められればやっぱり飲んじゃいますよ、第一口をつけないなんて失礼ですものね。これまで沢山の方にお話を伺ってきましたが、インタビュー相手のお宅におじゃまして、朝からアルコールをご馳走になるなんてはじめて。なんと楽しいインタビューでしょう。
さて、その内容はというと、ジェイコブスの何がそんなにすばらしいのか、彼女の都市の思想について、「いいまちをつくる4つの原則」を軸にお話いただきました。コルビュジェの「輝ける都市」に真っ向から異を唱えたジェイコブス。彼女の主張は一つ、都市とは人間的でなければいけないと。先生は、筑波大学とルーヴァン大学の新キャンパス(ベルギー)を比較して、前者がコルビュジェの思想によってつくられたためにいかにダメか、逆に後者がジェイコブス的視点を取り入れているためにどんなにすばらしい大学になっているか、実感を踏まえて説かれました。詳しくは、『city&life』の83号に掲載しますので、それをお読みいただくとして、余談を少し。じつは先生、東大が大嫌いなのです。心底嫌らしく、ぼくらが東大卒業でないというと、顔を赤らめて喜ばれました。それから、生前のジェイコブスを初めて訪ねたときのこと。先生はどんな感想をおもちになったと思いますか。それがじつは……、いやいや、これはオフレコでした。それを聞いて、ぼくらは腹の底から大笑い、とだけ言っておきましょう。それから若尾文子さんと初めて会ったときに、彼女を……、おっとこれも言ってはいけないことでした。若尾さんといえば、黒川紀章夫人。そうです、ジェイコブスの訳者の……、おっと、こいつもダメ。あぶないあぶない。いずれにしても宇沢先生、本当に楽しい時間をありがとうございました。
まだ、10時30分です。でも、勧められればやっぱり飲んじゃいますよ、第一口をつけないなんて失礼ですものね。これまで沢山の方にお話を伺ってきましたが、インタビュー相手のお宅におじゃまして、朝からアルコールをご馳走になるなんてはじめて。なんと楽しいインタビューでしょう。
さて、その内容はというと、ジェイコブスの何がそんなにすばらしいのか、彼女の都市の思想について、「いいまちをつくる4つの原則」を軸にお話いただきました。コルビュジェの「輝ける都市」に真っ向から異を唱えたジェイコブス。彼女の主張は一つ、都市とは人間的でなければいけないと。先生は、筑波大学とルーヴァン大学の新キャンパス(ベルギー)を比較して、前者がコルビュジェの思想によってつくられたためにいかにダメか、逆に後者がジェイコブス的視点を取り入れているためにどんなにすばらしい大学になっているか、実感を踏まえて説かれました。詳しくは、『city&life』の83号に掲載しますので、それをお読みいただくとして、余談を少し。じつは先生、東大が大嫌いなのです。心底嫌らしく、ぼくらが東大卒業でないというと、顔を赤らめて喜ばれました。それから、生前のジェイコブスを初めて訪ねたときのこと。先生はどんな感想をおもちになったと思いますか。それがじつは……、いやいや、これはオフレコでした。それを聞いて、ぼくらは腹の底から大笑い、とだけ言っておきましょう。それから若尾文子さんと初めて会ったときに、彼女を……、おっとこれも言ってはいけないことでした。若尾さんといえば、黒川紀章夫人。そうです、ジェイコブスの訳者の……、おっと、こいつもダメ。あぶないあぶない。いずれにしても宇沢先生、本当に楽しい時間をありがとうございました。
新大久保で都市プランナー・稲葉佳子さんのインタビュー。大久保といえば商店街の放送にも韓国語が使われているようなコーリアンタウン、だと思っていたら、今は台湾華僑、インド人、タイ人、さらにはミャンマー系のムスリムもいる、他民族エリアになっていたのだ。いつのまにか、大久保はマルチ・カルチュラルなエスニックタウンになっていたのである。そして、まだまだ変っていきそうな勢い。20年近く大久保をサーベイしてきた稲葉さんも、ここのところの変化の早さには驚いているらしい。インタビューした風月堂を出て、大久保駅のすぐ横の通りを行くと、ハラムフードの新しい店がオープンしていた。稲葉さんもご存知なかったらしく、さっそく写真を撮っていた。インド料理の食材を売る店を覗く。タイフードレストラン『バイリン」の前でポートレイトを撮って別れる。午後は下北沢の建築家/明治大学教授・小林正美さんの事務所へ。下北沢で建設が予定されている都市計画道路がどんだけダメな代物か、ジェイコブス的視点から検証してもらった。小田急線の地下化の工事はすでに始まっているが、駅舎は地下5層部分にできるらしく、井の頭線との乗り換えが相当に不便になるらしい。そんなことぜんぜん知らなかった。ぼくは、単に下北の今が好きだからこの計画にはずっと反対してきたけれど、どうやら実害を受けそうである。立派な道路や駅広ができても、乗降客がいないということになったら、一番困るのは下北で商売をしている人たちだろう(なんてったって1日12万人が乗り降りする駅なのだから)。こうなったら、なにがなんでもこの計画をストップさせたい。未来のジェイコブスよ、下北に来れ。
明治学院大学経済学部助教授・服部圭郎さんを訪ねる。『city&life』の原稿依頼。以前一度同誌の「小さな町の豊かな暮らし」という特集で「コンパクトシティ、〈賢い縮小〉の必要性」というテーマで原稿をお書きいただいた。今回は、「ジェイコブスの宿題」の一つで、世界に誇れる「日本の商店街」をジェイコブスの視点から再評価しようというもの。服部さんは、ここ数年、実際に、東京の商店街をつぶさに歩き回って、その比較研究をしている。三浦展編著『脱ファスト風土宣言 商店街を救え!』(洋泉社新書)に、その一部が紹介されているが、たとえば服部さんの調査によれば、下北沢はなかでもずば抜けて優良な商店街だという。それが、今、60年も前の都市計画道路の整備計画によって破壊されようとしている。ジェイコブスが日本で生活していたら、おそらくまっさきにこの計画に反対し、高速道路計画を白紙にしたような、アグレッシヴな闘争を展開しただろう。そんなシミュレーションをしてもらうというのが、今回の原稿依頼の趣旨だ。ところで、服部さんが編集人となっている『habitat ハビタット通信』の第4号が発行になった。インドネシアのマカッサル市がクリチバモデルのまちづくりを展開しようとしていて、その一環で「ごみ買い運動」をしているという報告が掲載されていた。アジアの国々も、今、クリチバ型のサステナブルなまちづくりへ大きく舵を切り始めている。日本だけが、こうした世界的な動きから取り残されているようだ。
ネタをもう一つ。ジェイコブスの『アメリカ大都市の死と生』が、なぜI、II章しか訳されていなくて(III、IV章が未訳)、酷い訳のまま、いまだに旧版のままで出版され続けているのか。この翻訳者(じつは、監修だけしかしていないといううわさがある)が、版権を主張し、新訳で出し直すことをかたくなに拒否しつづけているかららしい。用語の統一すらまともにできていないほんとうに酷い翻訳書。これはもはや犯罪に等しい、とぼくも思います。ジェイコブスの宿題を言うなら、本当はこの本の新訳を出すことが何より先決かもしれません。
ネタをもう一つ。ジェイコブスの『アメリカ大都市の死と生』が、なぜI、II章しか訳されていなくて(III、IV章が未訳)、酷い訳のまま、いまだに旧版のままで出版され続けているのか。この翻訳者(じつは、監修だけしかしていないといううわさがある)が、版権を主張し、新訳で出し直すことをかたくなに拒否しつづけているかららしい。用語の統一すらまともにできていないほんとうに酷い翻訳書。これはもはや犯罪に等しい、とぼくも思います。ジェイコブスの宿題を言うなら、本当はこの本の新訳を出すことが何より先決かもしれません。
銀座・松崎煎餅店の2階喫茶室へ。法政大学大学院エコ地域デザイン研究所・岡田哲志さんインタビュー。銀座のフィールドワークから得た銀座の場としての底力を、ジェイコブスの残した宿題に絡めながら語ってもらった。場所性をどう論理化するか、都市のプロパーに求められているものは、それに尽きるような気がする。岡田さんの銀座400年の実証的研究こそ、まさにその論理化の豊かな成果だと言える。ご著書『銀座400年 都市空間の歴史』(講談社メチエ)をぜひお読み下さい。
インタビューのあと、銀座の魅力である路地を駆け足で見て回る。4丁目の宝童稲荷神社の置かれているL型の路地。こんなところにお稲荷さんがあるなんて。それと、7丁目の直線にして100mのビルとビルの間に挟まれた路地。ここは途中ビルを中を通り抜けるもの。その入り口と出口にはなんと自動ドアがあって、ビル内路地の両脇の店舗が閉まる夜間でも、24時間通行が可能という驚くべき仕掛けつき。しかもその出口付近に直行するもう1本の路地は、明治の煉瓦街にできた時の名残りだ。歴史が重層する小さな極小の都市空間としての路地。もう一度、写真撮影に来るので、詳細はその時に報告しましょう。
インタビューのあと、銀座の魅力である路地を駆け足で見て回る。4丁目の宝童稲荷神社の置かれているL型の路地。こんなところにお稲荷さんがあるなんて。それと、7丁目の直線にして100mのビルとビルの間に挟まれた路地。ここは途中ビルを中を通り抜けるもの。その入り口と出口にはなんと自動ドアがあって、ビル内路地の両脇の店舗が閉まる夜間でも、24時間通行が可能という驚くべき仕掛けつき。しかもその出口付近に直行するもう1本の路地は、明治の煉瓦街にできた時の名残りだ。歴史が重層する小さな極小の都市空間としての路地。もう一度、写真撮影に来るので、詳細はその時に報告しましょう。
『city&life』no.83特集「ジェイコブスの宿題」の座談会「今こそ都市の論理を! ジェイコブスは日本でどう応用できるか」。出席者は、企画委員の日端康雄さん、陣内秀信さん、林泰義さん。林さんに進行役をお願いして2時間、実りある議論ができた。日本の都市は、ジェイコブス的視点から見る限り、まったく遅れている。えっ、東京は六本木ヒルズや表参道ヒルズがあるじゃないか。それになんといっても東京オリンピックをもう一度やろうとしているというのに、どこが遅れているの? いや、それが、まさに「遅れている」ということなのだ。大都市だから超高層、ビッグプロジェクトという発想がすでに世界の都市開発の潮流から完全に取り残されてしまっているのだ。ジェイコブスの宿題、冬休み中にできるようなものではないけれど、自らの課題としてしっかり勉強することにしよう。
「C&L」の企画委員会。3月発行予定の「ジェイコブスの特集」について。それ以外に企画3本プレゼン。ジェイコブスの特集は題して「ジェイコブスの宿題」。
「誌上シンポ」のひとつがジェイコブスの四つの原則を再考しようというものだったが、「ジェイコブスはこう読め」も含めて、これまでのジェイコブス再評価の延長にある。経済学徒としてのジェイコブスという視点は確かに面白いが、全体に新味がないというのが皆さんの共通した感想。日端先生は「五感の人」ジェイコブスの近代都市批判者の側面は一環していて、しかし、それが近代都市を乗り越えようとしている時に有効性をもちうるかというと疑問だという。四つの原則はあくまでも対症療法でしかなく、理想としての都市モデルを提出したわけではなかったとおっしゃる。陣内先生は、理念なき日本の都市の現状を見るとジェイコブスに見習うべきところはいっぱいあるけれども、あまりにもそのギャップが大きすぎる。日本の都市が酷すぎるというのである。林先生は、もう少し新しい視点が出せないと、面白くないという素朴だが一番的を突いた意見。
しばらく三人でジェイコブスを題材にそれぞれの都市論を披露される。これを聞いていたら、いいアイデアが浮かんだ。いっそ三人でディスカッションをしてみたらどうだろうか。その案をもちだすと、三人とも難色を示したが、しつこくお願いしたので、結局やることになった。もちろん安易にそうしたいと思ったわけではなくて、今まさに話し合われたことが、ジェイコブスの今日的な読みであり、また探りたいと思っている疑問への解答であったからだ。
日端先生の理解・評価と陣内さんのそれが、微妙に重なりつつもその着地点には大きな開きがあるように感じて、それもまた興味深かった。林さんがファシリテーターをかってでてくれるというので、これで決り。本年最後の座談会となる(そういえぱ、去年もこのメンバーに小谷部先生が加わって座談会やったなぁ)。
「誌上シンポ」のひとつがジェイコブスの四つの原則を再考しようというものだったが、「ジェイコブスはこう読め」も含めて、これまでのジェイコブス再評価の延長にある。経済学徒としてのジェイコブスという視点は確かに面白いが、全体に新味がないというのが皆さんの共通した感想。日端先生は「五感の人」ジェイコブスの近代都市批判者の側面は一環していて、しかし、それが近代都市を乗り越えようとしている時に有効性をもちうるかというと疑問だという。四つの原則はあくまでも対症療法でしかなく、理想としての都市モデルを提出したわけではなかったとおっしゃる。陣内先生は、理念なき日本の都市の現状を見るとジェイコブスに見習うべきところはいっぱいあるけれども、あまりにもそのギャップが大きすぎる。日本の都市が酷すぎるというのである。林先生は、もう少し新しい視点が出せないと、面白くないという素朴だが一番的を突いた意見。
しばらく三人でジェイコブスを題材にそれぞれの都市論を披露される。これを聞いていたら、いいアイデアが浮かんだ。いっそ三人でディスカッションをしてみたらどうだろうか。その案をもちだすと、三人とも難色を示したが、しつこくお願いしたので、結局やることになった。もちろん安易にそうしたいと思ったわけではなくて、今まさに話し合われたことが、ジェイコブスの今日的な読みであり、また探りたいと思っている疑問への解答であったからだ。
日端先生の理解・評価と陣内さんのそれが、微妙に重なりつつもその着地点には大きな開きがあるように感じて、それもまた興味深かった。林さんがファシリテーターをかってでてくれるというので、これで決り。本年最後の座談会となる(そういえぱ、去年もこのメンバーに小谷部先生が加わって座談会やったなぁ)。
神戸大学発達科学部教授・平山洋介さんから『東京の果てに』(日本の〈現代〉15 NTT出版)を贈呈していただきく。平山さんが昨今続けておられた都市のフィールドワークから捉えた東京の空間論。
「都市に生成する空間が深みをもっているのは、複数の欲求と声が複雑にからみあっているからである。都市の将来像をどのように構想するのかという問題を取り巻いて、多数の力が出会い、衝突、交渉、抵抗、懐柔、取引などの慣例を錯綜させてきた。複数の声が強行すれば、込み入った摩擦が生まれ、多くの欲求は妥協と譲歩が強いられる。(…)この複数性と複雑性は都市にとって大切な価値である」。しかし、今の東京は、極端な一元化と複雑性を回避する単純化の論理に置き換えられようとしている。本書は、「都市改造」、「タワーマンション」、「不平等社会」、「生死と墓地」という4つの切り口から、フロンティアとしての東京が直面する真の問題とは何かをあぶり出す。すでに、東京はフロンティアであることをやめている!
だからこそ、今必要なのは、都市の原点に返って「都市の多元性を尊重しその複雑さとの交際を深めるべき」なのであって、その先にしか空間の将来はない。それは、フロンティアの意味をあらためて問い直すことだ。
TASC的な関心からいうと、調査記録をもとにした「路上喫煙」の規制について触れている箇所があって、これは必読。
東京の果てに
「都市に生成する空間が深みをもっているのは、複数の欲求と声が複雑にからみあっているからである。都市の将来像をどのように構想するのかという問題を取り巻いて、多数の力が出会い、衝突、交渉、抵抗、懐柔、取引などの慣例を錯綜させてきた。複数の声が強行すれば、込み入った摩擦が生まれ、多くの欲求は妥協と譲歩が強いられる。(…)この複数性と複雑性は都市にとって大切な価値である」。しかし、今の東京は、極端な一元化と複雑性を回避する単純化の論理に置き換えられようとしている。本書は、「都市改造」、「タワーマンション」、「不平等社会」、「生死と墓地」という4つの切り口から、フロンティアとしての東京が直面する真の問題とは何かをあぶり出す。すでに、東京はフロンティアであることをやめている!
だからこそ、今必要なのは、都市の原点に返って「都市の多元性を尊重しその複雑さとの交際を深めるべき」なのであって、その先にしか空間の将来はない。それは、フロンティアの意味をあらためて問い直すことだ。
TASC的な関心からいうと、調査記録をもとにした「路上喫煙」の規制について触れている箇所があって、これは必読。
東京の果てに
取材2日目。朝起きてダイニングルームにいくとおばあちゃんが座っていた。85歳には見えない。顔の色つやはいいし耳も悪くない、ふだんは部屋で編み物をしているすてきなおばあちゃん。山で拾ってきたという栗をいただく。おばあちゃんとしばしよもやま話。
みんな揃って朝食。畑を見る。茄子、いんげん、アスパラ、枝豆、いちじく、キャベツ、トマト、キウイ、柿、りんご、ゴボウなど野菜や果物が畑せましに植わっている。この畑のものすべて、宿泊客は基本的に勝手にとっていいことになっている。泰山堂に宿泊された娘さんは、一生懸命枝豆を採っていた。
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みんな揃って朝食。畑を見る。茄子、いんげん、アスパラ、枝豆、いちじく、キャベツ、トマト、キウイ、柿、りんご、ゴボウなど野菜や果物が畑せましに植わっている。この畑のものすべて、宿泊客は基本的に勝手にとっていいことになっている。泰山堂に宿泊された娘さんは、一生懸命枝豆を採っていた。
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朝起きて、露天風呂に直行。ようやく日本海を堪能する。昨日は、海があることすらわからなかった。ほとんど波の音がしない、静かな海だからだ。潮の香りもあんまりしないし。
9時30分にタクシーでまず〆張鶴の酒蔵「宮尾酒造」へ。三面川の支流脇に造醸所。玄関はなんてことない商店の入口風。町屋と同じで、間口は狭いが奥が深い。というか、奥が大きな工場になっていた。
川の堤にそって下る。三面川の本流と合流しているところで、釣り人を何人か見かける。80才の元気なばあさんに尋ねると鮎を釣っているとのこと。もう一人のお婆さんと一緒に撮影。住所を聞いて、雑誌完成後送ることになった。
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9時30分にタクシーでまず〆張鶴の酒蔵「宮尾酒造」へ。三面川の支流脇に造醸所。玄関はなんてことない商店の入口風。町屋と同じで、間口は狭いが奥が深い。というか、奥が大きな工場になっていた。
川の堤にそって下る。三面川の本流と合流しているところで、釣り人を何人か見かける。80才の元気なばあさんに尋ねると鮎を釣っているとのこと。もう一人のお婆さんと一緒に撮影。住所を聞いて、雑誌完成後送ることになった。
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『city&life』の取材で編集の斎藤夕子さん、カメラマンの坂本正十賜さんと新潟県村上市へ。城下町の町並みが残る村上市では、1998年に中心市街地に残る「町屋」の景観保全を目的にした「村上町屋商人会」が発足し、「町屋」の一般公開、「町屋」の再生などを行いながら、町並みを活かした観光地づくりに取り組んでいる。また、歴史的景観の再生を図ることを目的に、市民の寄付金と市民ボランティアの活動で黒塀に戻そうという「黒塀プロジェクト」が始まった。とくに、「町屋」の一般公開に合わせて市内の60軒が参加する雛人形の展示「人形さま巡り」や屏風の展示「屏風まつり」がTVなどで紹介されて観光客も年々増加、市民主体の「まちづくり」として、今、注目されている。今回の特集「〈素顔のまま〉でまちづくり」のケーススタディの一つとして紹介することにしたのである。続きを読む
ジャーナリストの柳田由紀子さんより新刊『太平洋を渡った日本建築』(NTT出版)を贈呈していただきました。アメリカに現存する日本建築や庭園をジャーナリストの目で観察し紹介したおそらく我が国で初めての著作です。
1876年、アメリカの日本建築の第一号となる日本館がフィラデルフィア百年祭万国博覧会にお目見えしました。本書はこの日本館の誕生から第二次世界大戦後、ニューヨーク近代美術館中庭に展示された吉村順三設計の書院造り「松風荘」まで、12の建築が年代順に紹介されています。取り上げられた主要な建築には、所在地やHPなどの情報が掲載されていて、実際に物件を訪ね歩くためのガイドブックにもなっているという親切な編集。
建築そのものよりもその設計者や周囲の状況に著者の関心は向かっていきます。日本建築をアメリカ社会がどう受容したかという文化論になっていて、本書を単なる建築評論とは一線を画したものにしています。著者が建築の専門家でないことがかえって功を奏しているといっていいでしょう。
私信で著述にあたって90年にINAX BOOKLETの一冊として出版された『万国博の日本館』がおおいに参考になったとおっしゃってましたが、この本を編集した人間にとってはこれほどうれしいことはありません。みなさん書店で目にしたら、ぜひ手に取って見て、よかったら買ってください。もちろん、柳田さんの著作の方ですよ。お間違いなく。
太平洋を渡った日本建築
1876年、アメリカの日本建築の第一号となる日本館がフィラデルフィア百年祭万国博覧会にお目見えしました。本書はこの日本館の誕生から第二次世界大戦後、ニューヨーク近代美術館中庭に展示された吉村順三設計の書院造り「松風荘」まで、12の建築が年代順に紹介されています。取り上げられた主要な建築には、所在地やHPなどの情報が掲載されていて、実際に物件を訪ね歩くためのガイドブックにもなっているという親切な編集。
建築そのものよりもその設計者や周囲の状況に著者の関心は向かっていきます。日本建築をアメリカ社会がどう受容したかという文化論になっていて、本書を単なる建築評論とは一線を画したものにしています。著者が建築の専門家でないことがかえって功を奏しているといっていいでしょう。
私信で著述にあたって90年にINAX BOOKLETの一冊として出版された『万国博の日本館』がおおいに参考になったとおっしゃってましたが、この本を編集した人間にとってはこれほどうれしいことはありません。みなさん書店で目にしたら、ぜひ手に取って見て、よかったら買ってください。もちろん、柳田さんの著作の方ですよ。お間違いなく。
太平洋を渡った日本建築
東京立正短期大学現代コミュニケーション学科講師・秋山綾さんとエクセル東急ホテルのカフェで待ち合わせ。約束の時間をちょっぴり遅れたら、秋山さん、TASC専務理事・岡本光義さん共にすでにいらっしゃっていた。みなさんなんて時間に正確! 昨年まで院生だった秋山さん、すっかり先生らしくなっていた(どんなだ?!)。今日は、『TASC MONTHLY』ヘの原稿依頼。観光学の理論的なフレームワークづくりに腐心しておられる秋山さんですが、今回はちょっと視点を変えたテーマでお願いした。なにせ、フィールドワークしまくっている彼女のこと、ネタに事欠くことはない。
この前もそのひとつ上山田温泉で入手したという「戸倉上山田音頭」(唄は村田英雄と花村菊江)をmp3で送ってくれた。そのお礼もあって『三木鶏郎音楽作品集~トリローソングス~』を教えてあげたら、えらく感激された。すぐに『トリローボックス』を買うぞ!! と息巻いていたけれど、ゲットした? このCDには、国鉄のCMソング「 僕は特急の機関士で」の「東海道巡りの巻」の他に、「北海道巡りの巻」「東北巡りの巻」「九州巡りの巻」が収録されている。1950年代の飛びっきりの観光案内になっているのだ。いずれ、「トリローのコマーシャルソングに描かれた観光名所」というテーマの共同研究を発表するつもり(ほんとに?!)。
三木鶏郎音楽作品集~トリローソングス~
この前もそのひとつ上山田温泉で入手したという「戸倉上山田音頭」(唄は村田英雄と花村菊江)をmp3で送ってくれた。そのお礼もあって『三木鶏郎音楽作品集~トリローソングス~』を教えてあげたら、えらく感激された。すぐに『トリローボックス』を買うぞ!! と息巻いていたけれど、ゲットした? このCDには、国鉄のCMソング「 僕は特急の機関士で」の「東海道巡りの巻」の他に、「北海道巡りの巻」「東北巡りの巻」「九州巡りの巻」が収録されている。1950年代の飛びっきりの観光案内になっているのだ。いずれ、「トリローのコマーシャルソングに描かれた観光名所」というテーマの共同研究を発表するつもり(ほんとに?!)。
三木鶏郎音楽作品集~トリローソングス~
リーガグランド・ホテルのそばにあるシーザ・ペリ設計の国立国際美術館を見学。多数の巨大なステンレスパイプをカーブさせたモニュメントのある建物。というか、地上にはこれしかなくて、施設部分をすべて地下に埋設した美術館である。
建物の特異性はもとより、印象深かかったのは周囲のオープンスペースに設置されていた立て札の数々。「危険」、「あぶない」、「はいるな」、「のるな」というたて札がそこかしこに立っていたり貼られていたりしていた。
柵がしてあっても立て札がある。欧文が併記されているもあるが、ないのもある。シーザ・ペリの最初のスケッチには、立て札どころか柵すらもなかったと思う。ない方がカッコイイのは当然だ。現状を見たらびっくりするだろう。足を踏み入れるのも大変そうな噴水と通路の間にできた小さなスペースにも「入るな」の立て札が立っていた。ここの管理者は強迫神経症か。併設されている大阪市立科学館の中に入ると、中央吹き抜け空間の階段部分、はるか上の方に「立ち止まらないで」という張り紙が貼ってあった。誰に向けてインフォメーションしているのか不明だし、第一立ち止まらないかぎり貼り紙は見えないぞ。続きを読む
建物の特異性はもとより、印象深かかったのは周囲のオープンスペースに設置されていた立て札の数々。「危険」、「あぶない」、「はいるな」、「のるな」というたて札がそこかしこに立っていたり貼られていたりしていた。
柵がしてあっても立て札がある。欧文が併記されているもあるが、ないのもある。シーザ・ペリの最初のスケッチには、立て札どころか柵すらもなかったと思う。ない方がカッコイイのは当然だ。現状を見たらびっくりするだろう。足を踏み入れるのも大変そうな噴水と通路の間にできた小さなスペースにも「入るな」の立て札が立っていた。ここの管理者は強迫神経症か。併設されている大阪市立科学館の中に入ると、中央吹き抜け空間の階段部分、はるか上の方に「立ち止まらないで」という張り紙が貼ってあった。誰に向けてインフォメーションしているのか不明だし、第一立ち止まらないかぎり貼り紙は見えないぞ。続きを読む
大阪・リーガグランド・ホテルにて『C&L』の座談会。出席者は、大阪市立大学大学院文学研究科教授/都市研究プラザ・水内俊雄さん、野宿者ネットワーク・生田武志さん、神戸大学発達科学部教授・平山洋介さん。テーマは、「検証! 安全・安心のまちづくり〈セーフティネット編〉……誰のための安全・安心か」。
大阪には、全国の野宿者の半数が生活する。この事実をどう理解するかから始まった。60年代に人工的につくられた日雇い労働者たちのかなりの数が団塊の世代。彼らが野宿者となったことが数字的には大きいという。野宿者は減少傾向にあるような報道がされているが、潜在的な野宿者予備群を視野に入れると減っていない。目に見える野宿者/目に見えない野宿者、という構造が大きな問題となっている。それと生保受給者の関係も大きい。社会保障が後退するなかで、野宿者と生保受給者をどう支援し就労機会をつくり出していくか、それを社会がどう支えていくか、これは喫緊の「都市課題」である。これまで、都市問題を社会政策としての考えていく視点が抜け落ちてた。いまこそ、ソーシャル・ネット、ソーシャル・セキュリティを整備し構築していく時代ではないか。
しかし、現状を見る限り絶望的な状況。ソーシャル・セキュリティからソーシャルが脱落して、単なるセキュリティだけに関心が集まっている。昨今いわれている「安全・安心のまちづくり」は、社会を忘れた、つまり、生存の危機に立たされている人々をはなから対象外とするものであるとすれば、片手落ちの議論だといえる。現在顕在化している野宿者問題は、いまだリハーサルの段階にすぎない。これから本番が始まる。それがどのようなかたちで現れてくるのか、考えるだけでも末恐ろしい。早急な対策が必要で、それこそが「安全・安心のまちづくり」ではないか。というようなことをじっくり3時間議論した。非常に有意義な座談会となった。
大阪には、全国の野宿者の半数が生活する。この事実をどう理解するかから始まった。60年代に人工的につくられた日雇い労働者たちのかなりの数が団塊の世代。彼らが野宿者となったことが数字的には大きいという。野宿者は減少傾向にあるような報道がされているが、潜在的な野宿者予備群を視野に入れると減っていない。目に見える野宿者/目に見えない野宿者、という構造が大きな問題となっている。それと生保受給者の関係も大きい。社会保障が後退するなかで、野宿者と生保受給者をどう支援し就労機会をつくり出していくか、それを社会がどう支えていくか、これは喫緊の「都市課題」である。これまで、都市問題を社会政策としての考えていく視点が抜け落ちてた。いまこそ、ソーシャル・ネット、ソーシャル・セキュリティを整備し構築していく時代ではないか。
しかし、現状を見る限り絶望的な状況。ソーシャル・セキュリティからソーシャルが脱落して、単なるセキュリティだけに関心が集まっている。昨今いわれている「安全・安心のまちづくり」は、社会を忘れた、つまり、生存の危機に立たされている人々をはなから対象外とするものであるとすれば、片手落ちの議論だといえる。現在顕在化している野宿者問題は、いまだリハーサルの段階にすぎない。これから本番が始まる。それがどのようなかたちで現れてくるのか、考えるだけでも末恐ろしい。早急な対策が必要で、それこそが「安全・安心のまちづくり」ではないか。というようなことをじっくり3時間議論した。非常に有意義な座談会となった。
「〈安全・安心のまちづくり〉を考える」という特集で、「検証! 安全・安心のまちづくり〈防犯編〉…日本の治安とまちづくり」をテーマに座談会を行う。出席者は、東京大学大学院工学系研究科教授・小出治さん、桐蔭横浜大学法学部教授・河合幹雄さん、東北大学工学研究科助教授・五十嵐太郎さん。「安全・安心のまちづくり」は、今や各自治体がまっさきに掲げる課題である。しかし、凶悪犯罪が多発し、日本の都市も危なくなってきたと言われているが、統計データを詳細に見てみると必ずしもそうとはいえない。むしろ犯罪件数は減少している。過剰なセキュリティがかえって不安や心配を助長させている面が強い。セキュリティ管理は、都市にとって重要な課題であるが、いきすぎた管理が新たな問題を発生させているのも事実だ。そこで、「安全・安心のまちづくり」について、一度白紙に戻して徹底的に議論してみようというのが今回の企画である。
さて座談会は、編集部の意図した通り、専門家の間でも「安全・安心のまちづくり」というスローガンのもとに行われているさまざまな試みが、じつはちぐはぐな結果をまねき、期待したような効果を上がっていないというのが共通した認識のようだ。そもそも、効果を評価することがむつかしい。犯罪件数自体戦後一貫して減っているのに印象はまったく逆だ。殺人だけに限っていうと、最も多いのが家庭内殺人。赤の他人を殺すより心中や子殺し親殺しの方が統計的にはずっと多いという。山形の事件がセンセーショナルに報道されているが、子殺しの伝統は日本ではかなり古くからあり、あまりに日常的なので事件にすらならなかった。また、少年が首をはねた事件の異常さをマスコミは強調するが、首かり殺人は日本では古来からあって(?!)、子どもが起した事件にかぎっても一度ではないという。などという、常識を覆すような話がポンポンでてきて編集部もびっくり。心理的な不安感が実態から遊離して、われわれはますます不安に苛まされているというのがどうやら現状のようだ。一度、冷静になって現状を分析してみることが絶対に必要だ。その意味で、今回の特集は非常にタイムリーな企画である、などと自画自賛。詳細を知りたい方は、ぜひ『City&Life』no.81号をお買い求めいただきたい。
さて座談会は、編集部の意図した通り、専門家の間でも「安全・安心のまちづくり」というスローガンのもとに行われているさまざまな試みが、じつはちぐはぐな結果をまねき、期待したような効果を上がっていないというのが共通した認識のようだ。そもそも、効果を評価することがむつかしい。犯罪件数自体戦後一貫して減っているのに印象はまったく逆だ。殺人だけに限っていうと、最も多いのが家庭内殺人。赤の他人を殺すより心中や子殺し親殺しの方が統計的にはずっと多いという。山形の事件がセンセーショナルに報道されているが、子殺しの伝統は日本ではかなり古くからあり、あまりに日常的なので事件にすらならなかった。また、少年が首をはねた事件の異常さをマスコミは強調するが、首かり殺人は日本では古来からあって(?!)、子どもが起した事件にかぎっても一度ではないという。などという、常識を覆すような話がポンポンでてきて編集部もびっくり。心理的な不安感が実態から遊離して、われわれはますます不安に苛まされているというのがどうやら現状のようだ。一度、冷静になって現状を分析してみることが絶対に必要だ。その意味で、今回の特集は非常にタイムリーな企画である、などと自画自賛。詳細を知りたい方は、ぜひ『City&Life』no.81号をお買い求めいただきたい。
東京大学大学院情報学環・学際情報学府教授・石田英敬さんのインタビュー。ポストフォーディズムの社会にあって、個人は親密圏へ引き込み、社会的な連帯は失われ、かわりに感情がシンクロする。消費社会の徹底化。文化産業が隆盛をきわめ、意識はメタ市場化する。テレビという遅れてきたメディアは、しかし現前性をたてにわれわれのまなざしを吸収する。「象徴の貧困」(ベルナール・スティグレール)があからさまなかたちで前景化する時代にわれわれは生きているのだ。そうした状況とどう向き合うか。非常に刺激的なインタビューだった。『C&L』誌に掲載予定。
慶応義塾大学SFC環境情報学部教授・渡辺靖さんに「ゲイテッド・コミュニティ」についてのインタビュー。北米に現在5万以上ありすでに2千万人以上が暮らしているといわれるゲイテッド・コミュニティのいくつかを、渡辺さんは実際に訪ねてこられた。話題には上るものの、その実態についてはわからないところも多かったので、ぜひ一度お話を聞きたいと思っていたのだ。住宅の周囲に高い塀を巡らしてその内部には守衛が常駐し、24時間外部からの侵入者に眼を光らせているゲイテッド・コミュニティ。要塞都市とも称されるが、LAやフロリダでは現在開発中の約半数がゲイテッド・コミュニティだというから驚きである。LAの近郊コト・デ・カザには、港区と同じ敷地という巨大なものまで出現した。外部と隔絶して確かにセキュリティは高い。しかし、コミュニティは意外なほど希薄らしい。ほとんど近所づきあいはないという。しかも驚いたのは、その港区ほどあるゲイテッド・コミュニティには商店らしいものがほとんどなく、コンビニ程度の店がわずか一軒あるだけ。交通手段は、もっぱらクルマ。アメリカの典型的な郊外型都市を踏襲している。では実際に安全なのかというと、じつは犯罪件数が目立って減っているわけではないらしい。それほど安全でもなく、買い物には不便でコミュニティも希薄、けっこうみんな孤独に暮らしている。なぜそんなところに住もうと思うのか。気分としての不安感がまん延しているからなのか。そのあたりを徹底的にお聞きした。詳しくは、『City&Life』no.81(9月末発行)に掲載されるので、ぜひお読みいただきたい。
担当している某大学院の院生たちとアキバを見学。電気街口を出ると、メイドさんたちがビラ配りをしています。平日と違って、日曜日はコスプレの女の子たちが多いこと。いつものようにスクリプト風に報告しましょう。
写真を撮りまくっている外国人を横目に見ながら、まずは目の前のラジオ会館へ。1階は普通のパーツ屋さん。しかし、2階以上は一部を残してすべてオタク系ショップ。2Fフィギュア専門店の「ホビーショップ・コトブキヤ」。3Fはコミックと同人誌の「Kブックス」。壁狭しと貼られている美少女アニメキャラのポスターに目を白黒させながら、4F「海洋堂ホビーロビー」へ。クオリティの高さに圧倒されて、6F「ボークス秋葉原ショールーム」では、いわゆるスーパードルフィの世界にびっくり仰天。世界にたった1つの自分だけの愛娘をつくれるフルチョイスシステムの売り場には、ヘアーやグラスアイ、胴体、腕、足などがパーツ別に並べられていたからです。服や下着、靴などと組み合わせて、自分のファンタジーの世界に酔いしれるのです。誰が遊ぶのかって? 女の子だけではありません、男の子だって夢を見るのです。
頭が混乱したまま7Fの「イエローサブマリン秋葉原スケールショップ」へ。ここはレンタル・ショーケースのショップ。まず、そんなものがあるということを知らなかった人が数人いて、またまた目を白黒させて、そのマニアックな世界と圧倒的な物量に腰が抜けた人が約一人いました。続きを読む
写真を撮りまくっている外国人を横目に見ながら、まずは目の前のラジオ会館へ。1階は普通のパーツ屋さん。しかし、2階以上は一部を残してすべてオタク系ショップ。2Fフィギュア専門店の「ホビーショップ・コトブキヤ」。3Fはコミックと同人誌の「Kブックス」。壁狭しと貼られている美少女アニメキャラのポスターに目を白黒させながら、4F「海洋堂ホビーロビー」へ。クオリティの高さに圧倒されて、6F「ボークス秋葉原ショールーム」では、いわゆるスーパードルフィの世界にびっくり仰天。世界にたった1つの自分だけの愛娘をつくれるフルチョイスシステムの売り場には、ヘアーやグラスアイ、胴体、腕、足などがパーツ別に並べられていたからです。服や下着、靴などと組み合わせて、自分のファンタジーの世界に酔いしれるのです。誰が遊ぶのかって? 女の子だけではありません、男の子だって夢を見るのです。
頭が混乱したまま7Fの「イエローサブマリン秋葉原スケールショップ」へ。ここはレンタル・ショーケースのショップ。まず、そんなものがあるということを知らなかった人が数人いて、またまた目を白黒させて、そのマニアックな世界と圧倒的な物量に腰が抜けた人が約一人いました。続きを読む
陣内秀信先生が教えてくれた上海で進められている保存・再生型の都市開発。7月に現地から研究者が来日してシンポジウムが開催されることになりました。写真などでその全貌が明らかになるようです。こうご期待。→「上海 都市遺産の保存と再生 −水辺の産業遺産を中心として」
『City&Life』の企画委員会。各地で「安全・安心のまちづくり」の取り組みが進んでいるが、リスクへの過剰反応からか少々ヒステリックになっているようにも思える。そこで、防犯、セーフティ・ネットという二つの切り口から「安全・安心のまちづくり」そのものを原点に立ち返って考えてみようと企画を提案する。日端先生、陣内先生、そして協会の方も、テーマ、内容ともに関心をもってくれた。座談会2本とインタビュー3本。今号とはうってかわって、文字情報中心の読ませる内容。
陣内先生から、先日上海に行ってきたという報告。上海というと中国の中でも急速に近代化を進めている場所。超高層がバンバン建設されて、これがほんとうにあの中国? 目を疑いたくなるほど激変している様子がTVなどで再三報じられている。そういう意味で人々を驚かせてきた上海だが、陣内先生は今回の訪問で、それとはまったく異なる驚くべき事態が進んでいることに驚愕したという。「インダストリアル・ヘリテイジ」という考え方で、近代建築を保存再生するプロジェクトが大々的に行われているというのである。
あの中国がである。スクラップアンドビルドで、なんでもかんでも超高層にしてしまうという日本の状況を横目に見ながら、中国は、リノベーションを主体とした都市再開発にすでに大きく舵をとりなおしているというわけだ。そのいくつかを見学してきたようで、それがあまりにすばらしかったらしく、陣内先生は目を輝かせてわれわれにその新しい上海を語ってくれた。それで、ぜひ上海をとりあげましょうよ、だって。それは、面白いかもしれない。ついに都市開発、建築の分野においても、中国は日本を追い越してしまったようだ。
陣内先生から、先日上海に行ってきたという報告。上海というと中国の中でも急速に近代化を進めている場所。超高層がバンバン建設されて、これがほんとうにあの中国? 目を疑いたくなるほど激変している様子がTVなどで再三報じられている。そういう意味で人々を驚かせてきた上海だが、陣内先生は今回の訪問で、それとはまったく異なる驚くべき事態が進んでいることに驚愕したという。「インダストリアル・ヘリテイジ」という考え方で、近代建築を保存再生するプロジェクトが大々的に行われているというのである。
あの中国がである。スクラップアンドビルドで、なんでもかんでも超高層にしてしまうという日本の状況を横目に見ながら、中国は、リノベーションを主体とした都市再開発にすでに大きく舵をとりなおしているというわけだ。そのいくつかを見学してきたようで、それがあまりにすばらしかったらしく、陣内先生は目を輝かせてわれわれにその新しい上海を語ってくれた。それで、ぜひ上海をとりあげましょうよ、だって。それは、面白いかもしれない。ついに都市開発、建築の分野においても、中国は日本を追い越してしまったようだ。
ROVOのイベント「Man Drive Trance」に参加するため日比谷野音へ。16時会場で、着いたのは16時半。NATSUMENのTシヤツを買って席を探す。中央の中央よりだいぶ前の左側。まず、サム・ベネット。リズムマシーンとエレクトリック・パーカッションの弾き語り。NYを中心に活躍し最近は東京を拠点に活動するインプロバイザー。全曲歌もの。正直あまり面白いとは思わなかった。演奏時間も20分と短い。その次は、DIDGERIDOOのGOMA+JUNGLE RHYTHM SECTION。確かに、超絶グルーヴかもしれない。でも、やっぱり飽きちゃうんだなぁ、こういうの。いよいよ次はNATSUMEN登場。こいつは凄かった。サックス2本、トランペット1本にギターが二人(うち一人は女の子)、ベース、キーボードにドラムスという編成。全曲変則ビートで、リズムが次々に変わっていく。そこに、ジミヘンみたいなエンターテイメント丸出しのギターにフリーキーなホーンが絡む。プログレがファンク化しフリーインプロビゼーションに昇華した感じか。踊るのにはちとつらいが、それでもみんなからだを揺すっていた。初NATSUMEN、とりあえず満足。そしていよいよ、ROVO。いつものようにじわじわと盛り上げて行って、最後はコスミックなダンスチューンに。最初の曲で昇天峠行き。圧巻は、3曲めにやった新曲。非常にゆっくりしたテンポと美しいメロディのチルアウトっぽい曲。ぼくなんか座ってみていて、半分微睡ろみながら聴いていた。それが次第にテンポをあげていって、最後にはいつものトランシーなグルーヴで会場は爆発寸前。レッドラインも完全に振り切った。気が付くと50分の演奏。いや、すげーっす!! またまた踊り狂ってしまった。千代田区の公共施設でレイヴ・パーティ。禁煙なんてどこ吹く風で、みんなモクモクたばこの煙が心地良かった。
事務所によって、新橋経由でJRに乗り換え佐原まで。たっぷり2時間以上の旅。東洋大学の小川純生さんの「遊びは人間行動のプラモデル?」と「カイヨワの遊び概念と消費者行動」という論文を読む。両方とも肝心の消費者行動のところまでいかず、それとなくほのめかして終わっているのが惜しまれるが、そこまでの論理はとても面白かった。これはかなり参考になると思う。せっかくカイヨワの講談社学術文庫版を買い直したのに。なんだか読む気がしなくなったほど。これは使えると思うし、この先生にもあってみたくなった。佐原駅で、ライターの石本君代さん、カメラマンの秋山由樹さん、斎藤夕子さんと合流。今日は、『City&Life』の最後の取材。歴史ある町並みを資源に再生をはかる佐原市を実際に見て回わろうというもの。続きを読む
斎藤夕子嬢と「わが町流まちづくりのすすめ」長野編の取材。タクシーで「ぱてぃお大門蔵楽庭」へ。タクシーの運ちゃんが、ここはできたばっかりで賛否両論あると。ただ、ぼくはいいと思うと、なぜなら長野オリンピック以降景気後退のなか、景気浮上の起爆剤になるなら歓迎だという。まず、長野TMO事務局の江守雅美さんに面会。江守さんは、施設内の花壇の手入れをなさっていた。江守さんから長野におけるTMOの役割、商業集積「ぱてぃお大門蔵楽庭」オープンの経緯、まちカフェと江守さんとの関わりなどについてお聞きした。「ぱてぃお大門蔵楽庭」は、長野市のTMO事業で善光寺門前町に残る十数個の蔵をリノベーションして商業集積として再生したもの。昨年12月にオープンした。1000坪の敷地と角地を活かして、敷地の中央部に中庭を設けそれを取り囲むように建物が配置されている。表参道に面した建物は町家の家並みに配慮し、周囲との連続性をもたせ、また傾斜地という自然地形を残すことで、坂や階段をたくみの取り入れて、変化に富んだ路地空間をつくり出した。15棟の建物には、フレンチ、イタリアン、ベーカリーショップ、インテリア雑貨、カフェなどが入っている。ざっと概要をお話いただいたところで、長野TMO事務局のマネージャー・服部年明さん登場。長野TMOの具体的な事業の取り組みについて伺う。これがなんとも愉快痛快な話だったのだ。続きを読む
午前中佐世保の取材。まずアルバカーキ橋へ。この橋を越えるとニミッツパーク。米軍の公園。芝生がきれい。商店街を横切る。戸尾中央市場。そのそばにあるハンバーガーショップ「らりるれろ」に入ろうとしたがまだ開店していなかった。11時から、内心ホッとする(?!)。この市場には地元の食品が並ぶ。鯨専門店もある。トンネル市場なるものがあることを発見。もと防空ごうを市場にしたところ。あとから気が付いたので実際に見学することができなかった。残念だ。JRで、ハウステンボスへ。続きを読む
10時に「カルキャッチくるめ」へ。石井さんと一緒に「よしの園」へ。六ッ門商店街振興組合理事長・黒川幸治さんにインタビュー。黒川さんは、六ッ門大学事務局の運営委員会委員長をされている。その六ッ門大学の活動についてお聞きする。六ッ門大学とは、商店街の空きビルを活用した生涯学習拠点。「まちに人を集めるためには買い物のお客さんだけきてもらうのではダメ。まちに住んでほしいし、生活してほしい。そのためには、まず商店街が元気になる必要がある。そのひとつのきっかけづくりで始めた」という。現在40の講座があり、年間500の講義が行われている。一年間2万7千円払えば、すべての講座に自由に出られる。郷土の歴史研究から外国語教室までさまざまな講座が用意されている。いいまちには文化があるものです、と力説する黒川さん。商売繁盛だけを目的とした中心市街地活性化に疑問をもっている僕としては、文化創造という切り口から活性化を進めようとする黒川さんの姿勢に、おおいに共感した。続きを読む
九州・久留米、佐世保の取材旅行。今日は、久留米へ。『City&Life』を一緒に編集している斎藤夕子嬢が今回はコーディネイト。僕たちは、プロジェクトごとに、コーディネイター、ライター、カメラマンという役割を交換したり、使い分けたりする。久留米駅前は小さな地方都市のそれと同じ。タクシーで宿泊先のホテルへ荷物を預けて六角堂へ。株式会社ハイマート久留米の徳永亮平さんを訪ねる。まず、豚骨ラーメンを食べなくちゃと1階にある大栄ラーメンへ。とんこつスープがうまい。豚の背油からつくられた通称「カリカリ」が入っていて、独特の風味をかもし出している。とんこつラーメンというと博多ということになっているが、じつは久留米が発祥の地という説もあるのだ。そこで、久留米を知ってもらうためという徳永さんのうれしい提案。
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クルマでまず北浜アレイへ。この地域に最初に出店したNajaの前で、オーナの女性が土いじりをしていた。店の内部をいくつかみせてもらう。1階が美容院vadoo、その2階がバー黒船屋という変わった構成の店。2階から美容院が見下ろせる。外から見ると2階にこんなスペースがあるなんて想像もできない「umie」。海を見ながらお茶したり酒が飲めるいうのは悪くない。ボサノヴァのライブをやったというレンガ広場。少し離れてN.Y.GALLERY。ここは、香川県出身のアーティスト・川島猛さんの作品を展示販売している。サンポート高松のハーバープロムナードを見学。2万トン級の船も停泊することがてきる。5月に行われる国際青年会議所アジア太平洋地域会議高松大会には、ここでイベントをする予定になっている。続きを読む
『City&Life』の特集エリア・スタディ・シリーズ「わがまち流まちづくりのすすめ」で高松取材。『nature interface』の田井中麻都佳さんと一緒だ。ホテルのロビーにつくと建築家・林幸稔さんが迎えにきてくれていた。挨拶をかわす。さっそく歩いて「丸亀町商店街振興組合」の事務所へ。専務理事・古川康造さんと青年会長・矢野和宏さんに面会。「TMO丸亀町商店街の取り組みについて」お聞きする。すでにA街区の再開発が始まっていて、実行されるまでの経緯と苦労について話をしていただいた。続きを読む
『City&Life』の色校正。グラビアページを入れたことによってカラーページが多いように思う。こういう効果がねらえるとは意外。今回は大味編集。でも、グラフィック的にも、文章量にしてもこのくらいがかえっていいかも。だいたいアルシーヴ社が編集するものは、文字つめすぎ! なんて。14時より第一生命の会議室で『City&Life』80号の企画会議。日端康雄さん林泰義さんは、午前中評議委員会に出席されて、そのあと秋葉原を見学してきたらしい。ここでビッグニュース。陣内秀信さんは中央区立郷土天文館「タイムドーム明石」(プラネタリウム付き)の館長さんに就任。ここにはプラネタリウムがあって、五島プラネタリウムのスタッフが担当しているらしい。面白い企画をどんどんやっていくとのこと。楽しみだ。続きを読む
NPO法人うつくしま保全センターが主催したシンポジウムに『City&life』で原稿を執筆いただいた明治学院大学助教授・服部圭郎さんとインタビューをさせていただいた福島大学教授・阿部成治さんが出席されました。会場でお二人が登場した『City&life』「小さな町の豊かな暮らし」を販売していただいたところ、なんと63冊も売れたとのこと。すごい! かつて『談』のバックナンバーをある学会の大会会場で50冊以上販売したことがありましたが、最新号単独でこれだけ売れたのは初めて。内容がよければ、ちゃんと買ってくれるということでしょうか。ちょっぴり自画自賛。
昨日の座談会でポイントと思ったところを出席者の発言に合わせて一つずつ挙げておくと、陣内秀信さんは、日本人は「どう住むか」というイメージがきわめて希薄だという。たとえば、ヨーロッパと比較して、「都市の中に住む」のか「田園の中に住む」のか、彼らの志向は明確だという。調査やヒアリングからパリに暮らす人々は都市志向がきわめて強く、逆にイギリス人は後者の志向が顕著だという。方向は正反対だが、フランス人もイギリス人も「ここに住みたい」という強い意志を持っているところが、日本人と大きく違うところだという。イタリア人も都市居住の志向が強く、総じてラテン系は都市の中に暮らすことの意味をよく理解しているようだ。続きを読む
山の上ホテルで『City&Life』の座談会。出席者は、弊誌の企画委員。つまり、法政大学教授・陣内秀信さん、慶応義塾大学教授・日端康雄さん、NPO玉川まちづくりハウス運営委員・林泰義さん、日本女子大学教授・小谷部育子さん。いつも編集企画会議でご一緒する先生方であるが、このメンバーでひとつのテーマを議論するのは初めてだ。昨年末次回特集として「都市の〈良質な〉居住環境」について提案をした際に、みなさんそれぞれの立場から意見や要望を出された。それがとても面白く貴重なご意見も多かったので、それならいっそのこと企画委員の先生に思いの丈をお話していただく場を設けてみてはどうかということになり、今回の座談会開催とあいなった。このテーマ、じつは真剣に議論しようとするとかなり深い。わが国の都市計画、まちづくりの根幹に触れるような大きな問題なのである。2時間半しゃべってもらったが、まだまだ話し足りない様子だった。いくつかの重要なポイントについては、明日お伝えするが、企画委員によるこうした議論は今後も続けていきたい。終了後、林さん日端さん斎藤さんと別館地下にある「割烹かんだ」で食事。蟹姿盛り、三陸産殻付牡蠣の柚子味噌田楽、寒鰤大根などを八反錦の熱燗と一緒にいただいた。
ノンフィクション作家・山下柚実さんから『都市の遺伝子 にっぽんの五感探索遊行』を贈呈していただく。山下柚実さんには、談別冊『shikohin world/たばこ』で、鷲田清一さんと「シネステジーの悦び……五感が拓く〈葉の文化〉」というテーマで対談をしていただいた。今や、山下さんは、五感に関する著作が何冊もある、カリスマ五感作家だ。じつは、山下さんには、『City&Life』誌の吉祥寺特集号に、「吉祥寺、五感探索遊行」を寄稿していただいた。本書の「プロローグ「都市の遺伝子」の旅」に、その記述が活かされている。
「井の頭公園に架かる七井橋に触り、『いせや』から漂う焼き鳥の煙に鼻の穴を開き、ハモニカ横丁の路地を目をキョロキョロさせながら徘徊するなかで織上がっていく、街との新鮮な関係。「五感」をたよりに散策を重ねていくと、(中略)自ずから「好む」ものも出現することだろう。また、「好む」ものに身体と感覚を委ねながら街との交流を持続していくならば、いつしか「喜び」が手に入るに違いない。/そのようにして都市は、これまでにもたくさんの「喜ぶ」人との交流を続けてきた」(プロローグより)。
都市とは記憶の集積だと考える筆者にとって、五感は、まさに記憶をエンコードしデコードする素子そのものだ。五感を思いっきり開いて、ぼくらもあらたな都市の旅に出よう。
都市の遺伝子―にっぽん五感探索遊行
「井の頭公園に架かる七井橋に触り、『いせや』から漂う焼き鳥の煙に鼻の穴を開き、ハモニカ横丁の路地を目をキョロキョロさせながら徘徊するなかで織上がっていく、街との新鮮な関係。「五感」をたよりに散策を重ねていくと、(中略)自ずから「好む」ものも出現することだろう。また、「好む」ものに身体と感覚を委ねながら街との交流を持続していくならば、いつしか「喜び」が手に入るに違いない。/そのようにして都市は、これまでにもたくさんの「喜ぶ」人との交流を続けてきた」(プロローグより)。
都市とは記憶の集積だと考える筆者にとって、五感は、まさに記憶をエンコードしデコードする素子そのものだ。五感を思いっきり開いて、ぼくらもあらたな都市の旅に出よう。
都市の遺伝子―にっぽん五感探索遊行
郡山からJR東北本線で福島方向へ約1時間、金谷川駅につく。福島大学人間発達文化学類教授・阿部成治さんのインタビュー。コンパクトシティ論からみたドイツのまちづくりについてお聞きした。ドイツでは、80年代に「短距離で歩ける都市」ということがしきりいわれたそうだが、最近はほとんど聞かなくなった。それはおそらく、あらためて言わなくてもドイツ国内の各都市が、すでにそれを実現してしまっているからではないかという。また、こういう見方もできる。1992年にリオデジャネイロで開催された地球環境サミットで地方公共団体のイニシアティブとしてローカル・アジェンダに取り組むことが呼びかけられたが、ドイツでは多くの都市がこのローカル・アジェンダに取り組んでいる。ローカル・アジェンダの重点は都市計画よりも市民参加に置かれているようで、方向性としてそこにはコンパクトなまちづくりが当然のように含まれているからではないかと。いずれにしても、ドイツではコンパクトシティ論への関心は薄いらしい。もちろんいい意味でだ。それはともかくとして、インタビューを終えて帰りながら考えたこと。こんな山奥に大学をつくるのはやめたほうがいい。自然環境に恵まれた場所にあることが悪いわけではないけれど、大学はやはり市街地にあるべきものだと思う。少なくとも都市を研究する学生をこんなところに幽閉してはいけません。
国立博物館に隣接する東京文化財研究所へ。首都大学東京准教授・鳥海基樹さんにインタビュー。フランスのまちづくりをコンパクトシティという観点から見直すというテーマ。結論から言うとフランスの都市計画に直接コンパクトシティを謳ったものはない。しかし、都市のスプロール化を防ぎ、持続可能的成長を志向し、都心居住を推進する姿勢は、結果的にコンパクトシティを実現しているのではないかという。中心市街地の活性化、無秩序な郊外化の制御、街なか居住の促進という都市再生論では必ず上がる課題について、フランスではどう取り組んでいるか、またどういう方策で臨んでいるか、パリのいくつかのまちを事例にお話いただいた。続きを読む
『イギリスに学ぶ成熟社会のまちづくり』の著者で横浜国立大学大学院工学研究院助教授・高見沢実さんに「小さな町の豊かな暮らし」のインタビュー。今回のインタビューアーはS藤さん。高見沢さんの研究対象はコンパクトシティよりアーバンヴィレッジだ。両者の違いをあえて言うとすると、コンパクトシティは面的な空間論であるのに対して、アーバンヴィレッジは住む・働く・愉しむという機能から都市を捉えるところだろうか。それは一種の建築のようなものだという。たとえば、アーバンヴィレッジの視点で東京の都市を見てみる。都市政策からはネガティヴな評価しか出てこないいわゆる木密地域も、いろいろな機能を付加することによってよりよい環境に転化させることが可能になってくる。スクラップ&ビルドでもマイナスの発想でもなく、+αの発想。そういう「整備手法」がアーバンヴィレッジではないかというのだ。端的に「まちを元気にするしかけ」がアーバンヴィレッジだという。高見沢さんは、これからアーバンヴィレッジの考えをもっと広めていきたいと言っていた。「小さな町の豊かな暮らし」というテーマ、アーバンヴィレッジ論としても十分いけそうな気がした。
WACACS金沢サーベイ2日目は、「ふらっとバス」に実際に乗ってみることから始めた。金沢駅を含む北側を回る此花ルート、金沢城から近江市場、浅野川、ひがし茶屋方面を回る材木ルート、兼六園から武家屋敷、犀川といった南側を回る菊川ルートの3路線があるが、宿泊先の香林坊を通るので菊川ルートにする。市役所前から乗車。3路線とも100円均一。犀川に沿いながら片町、タテマチ方向へ時計の逆周りで進む。二十人坂の周辺の停留所から乗るお客さんが少し多かったのはのぼり坂のためだろう。利用客は年配の人が多いのではと予想していたが、若い利用客も少なくなく年代差はあまりないようだ。金沢大学病院で降りるかと思いきや、みなさん長く乗っている。もしかすると、時計回りならすぐなのに、反対周りなのでしかたなく乗っているのかもしれない。つまり、逆方向に行きたかったため。ぼくたちは香林坊で下車。ホテルから自転車をピックアップしていよいよサイクリング・サーベイのスタート。続きを読む
WACACS金沢サーベイ2日目は、「ふらっとバス」に実際に乗ってみることから始めた。金沢駅を含む北側を回る此花ルート、金沢城から近江市場、浅野川、ひがし茶屋方面を回る材木ルート、兼六園から武家屋敷、犀川といった南側を回る菊川ルートの3路線があるが、宿泊先の香林坊を通るので菊川ルートにする。市役所前から乗車。3路線とも100円均一。犀川に沿いながら片町、タテマチ方向へ時計の逆周りで進む。二十人坂の周辺の停留所から乗るお客さんが少し多かったのはのぼり坂のためだろう。利用客は年配の人が多いのではと予想していたが、若い利用客も少なくなく年代差はあまりないようだ。金沢大学病院で降りるかと思いきや、みなさん長く乗っている。もしかすると、時計回りならすぐなのに、反対周りなのでしかたなく乗っているのかもしれない。つまり、逆方向に行きたかったため。ぼくたちは香林坊で下車。ホテルから自転車をピックアップしていよいよサイクリング・サーベイのスタート。続きを読む
WACAKSの金沢サーベイ1日目。前日に宅急便で届けておいた折り畳み自転車がホテルについているのをまず確認する。同行したS嬢、S君の自転車とも無事。準備万端。今日は、金沢市が進めている金沢市中心市街地活性化基本計画の重点整備地区(約420 ha)内を、その境界線に沿ってぐるっと回わることに。まず、市役所に行く。サイクル&ライドの資料、一種のコミュニティバスである「ふらっとバス」の路線図、人口動態などの統計資料を入手する。金沢21世紀美術館をぐるっと半周して、兼六園の坂を上り下りし、北東に進み浅野川にかかる橋場へ。主計(かずえ)町の川沿いに並んだ茶屋と路地を散策。浅野川ぞいに北へ上がる。金沢駅駅前の新しく完成した透明の大屋根のついた「もてなしドーム」を見学。地上部分は確かに雨や雪にぬれずにバスに乗れていい。しかし、地下に広がる大規模な空間は、まったく用途不明。これならいっそSCにでもした方がいいのではないか。続きを読む
WACAKSの金沢サーベイ1日目。前日に宅急便で届けておいた折り畳み自転車がホテルについているのをまず確認する。同行したS嬢、S君の自転車とも無事。準備万端。今日は、金沢市が進めている金沢市中心市街地活性化基本計画の重点整備地区(約420 ha)内を、その境界線に沿ってぐるっと回わることに。まず、市役所に行く。サイクル&ライドの資料、一種のコミュニティバスである「ふらっとバス」の路線図、人口動態などの統計資料を入手する。金沢21世紀美術館をぐるっと半周して、兼六園の坂を上り下りし、北東に進み浅野川にかかる橋場へ。主計(かずえ)町の川沿いに並んだ茶屋と路地を散策。浅野川ぞいに北へ上がる。金沢駅駅前の新しく完成した透明の大屋根のついた「もてなしドーム」を見学。地上部分は確かに雨や雪にぬれずにバスに乗れていい。しかし、地下に広がる大規模な空間は、まったく用途不明。これならいっそSCにでもした方がいいのではないか。続きを読む
青土社の今岡嬢、来年出版する本の企画のことで来社(クオリア日記に準じて実名にしちゃったけどいい?)。彼女、まだお財布みつからないらしい。「落としたのは月曜日・渋谷・19時前後のことでした。こころあたりのある方、ぜひぜひご連絡を」。さて、今岡嬢に、かつて『SNOW』誌でウイルス学の畑中正一さん、仏文学の福田育弘さん、翻訳者の管啓次郎さんらに書いていただいた「食」エッセーの連載記事をドド〜ッとおみせする。世の中意外な方々が食通でいらっしゃるという典型例。じつは柳の下のどじょうねらいのつもり。なんの柳の下?? でも、そんなうまくいくわけないと思いつつも、腰を低くしてお願いのポーズでせまってみました。
そのあと、明治学院大学助教授・服部圭郎さんの研究室へ。『City&Life』の次の特集「小さな町の豊かな暮らし」の原稿依頼。テーマは、「スマート・グロース」ならぬ「スマート・シュリンク」。今後、人口減少にともなう都市縮小が現実化していく中で、むしろそれを新たな意味でのコンパクト・シティの創造と読み替えようという大胆かつチャレンジングな提案。六本木ヒルズをコンパクト・シティなどといって喜んでいる輩に冷や水を浴びせる企画だ。こっちはうまくいくと思うので、乞うご期待!!
そのあと、明治学院大学助教授・服部圭郎さんの研究室へ。『City&Life』の次の特集「小さな町の豊かな暮らし」の原稿依頼。テーマは、「スマート・グロース」ならぬ「スマート・シュリンク」。今後、人口減少にともなう都市縮小が現実化していく中で、むしろそれを新たな意味でのコンパクト・シティの創造と読み替えようという大胆かつチャレンジングな提案。六本木ヒルズをコンパクト・シティなどといって喜んでいる輩に冷や水を浴びせる企画だ。こっちはうまくいくと思うので、乞うご期待!!
昨日から『City&Life』の「都市を拓いた人々」の取材で唐津に来ている。佐賀銀行(旧唐津銀行)の創立者で、唐津と佐賀、博多、伊万里を結ぶ鉄道、現在のJR唐津線・築肥線の敷設を中心に、唐津の近代化に貢献した大島小太郎の足跡をたどる取材。二日目は、レンタル自転車を利用して、唐津港まで足をのばした。このレンタル自転車、唐津市経済振興財団が貸し出ししているもの。駅前にある「ふるさと会館アルビノ」に常時置いてあって無料で貸してくれる。利用時間も17時までで誰でも自由に利用できる。観光目的でもいっこうにかまわないというのがいい。しかし、残念なのはたった4台しかないこと。じつは、昨日も利用するつもりでいたが、4台すべて17時までではらっていて乗れなかった。ちなみに、JR駅でもレンタル自転車のサービスをやっている。こっちはアシスト式で2時間300円。こういう試みは、ぜひ全国に普及してもらいたいものだ。
昨日から『City&Life』の「都市を拓いた人々」の取材で唐津に来ている。佐賀銀行(旧唐津銀行)の創立者で、唐津と佐賀、博多、伊万里を結ぶ鉄道、現在のJR唐津線・築肥線の敷設を中心に、唐津の近代化に貢献した大島小太郎の足跡をたどる取材。二日目は、レンタル自転車を利用して、唐津港まで足をのばした。このレンタル自転車、唐津市経済振興財団が貸し出ししているもの。駅前にある「ふるさと会館アルビノ」に常時置いてあって無料で貸してくれる。利用時間も17時までで誰でも自由に利用できる。観光目的でもいっこうにかまわないというのがいい。しかし、残念なのはたった4台しかないこと。じつは、昨日も利用するつもりでいたが、4台すべて17時までではらっていて乗れなかった。ちなみに、JR駅でもレンタル自転車のサービスをやっている。こっちはアシスト式で2時間300円。こういう試みは、ぜひ全国に普及してもらいたいものだ。
若い写真家・森下大輔さんが来社。作品を見せていただく。都市の人工物を中心にモノクロームフィルムで撮影をされている。最近撮ったものと数年前のとほとんど変化がない。対象物へ向かう視線は一貫している。ローアングルで捉えた路地、距離感が浮遊感を喚起させる古い建物、緑の奥に頭を覗かせている給水塔、水の激しく流れる音が聞こえてきそうな河川などが印象に残った。たくさんの子どもが建物の前でしゃがんで待っている様子を撮ったもの、成田空港の入口でカートを引く外国人など人物が捉えられている作品もあるが、どれも人間はオブジェのよう。人工物と対峙されるとそれがかえって面白い表現になっている。個人的にはどれも好きな写真だ。最近は光を意識しているとおっしゃっていたが、明るさを抑えた画面にアクセントを与える陰影。デジカメの写真からはこうした光の微妙なニュアンスが消えつつあるからだろうか、とても新鮮に感じられた。『City&Life』では、畠山直哉さんや伊奈英次さん、鈴木理策さんらに撮影をお願いすることも少なくない。基本的には依頼の仕事はしないということだが、もしか気が向いたら、仕事をご一緒させていただければと思う次第である。↓
森下大輔さんのニコンサロンでの個展
森下大輔さんのニコンサロンでの個展
第一生命の会議室で『C&L』no.78の企画会議。1.「都市居住時代の「良質な」居住環境」2.「小さな町の豊かな暮らし」3.「「団塊世代」のまちづくり」4.「熱海……新たな「街」へ」の4本を提案する。しばらく「まちづくり」系の特集が続いたので、C&Lのもう一つの柱である「すまい・暮らし」系のものから考えてみた。企画委員の先生方からさまざまな意見、質問が飛び出す。まあ、「熱海……新たな「街」へ」は措くとして、最初の二つを組み合わせたら、というアドバイスをもらう。(「熱海」は埒外ということらしい)(笑)。都立大工学部跡地につくられた「深沢ハウス」は広い緑地空間とビオトープなどを設えて、環境に配慮したデザインになっているが、肝心の住宅棟が19階の高層。周囲の住民と訴訟騒ぎにもなっている、今、話題の物件。しかも、一部が証券化されて、そっちも問題含み。あまり考えなしに、「良質」な住宅っていってるけれど、そもそも「良質」ってなんなのか? という問題提起になればというのが1。しかし、結局、2.でいこうということになった。2.は要するに、日本型「コンパクトシティ」の可能性を考えるというもの。それも、徹底したフィールドワークで。例のWACACS(*)の登場とあいなりそう。というわけで、決まったのはいいけれど、じつはこの企画けっこう大変なのである。来月は、全国取材に東奔西走することになりそうだ。
(*)Walking & Cycling & Assist & Bike & Car Survey = 徒歩及び自力で駆動できるモビリティを駆使して町並み調査を行う集団
(*)Walking & Cycling & Assist & Bike & Car Survey = 徒歩及び自力で駆動できるモビリティを駆使して町並み調査を行う集団
第一生命の会議室で『C&L』no.78の企画会議。1.「都市居住時代の「良質な」居住環境」2.「小さな町の豊かな暮らし」3.「「団塊世代」のまちづくり」4.「熱海……新たな「街」へ」の4本を提案する。しばらく「まちづくり」系の特集が続いたので、C&Lのもう一つの柱である「すまい・暮らし」系のものから考えてみた。企画委員の先生方からさまざまな意見、質問が飛び出す。まあ、「熱海……新たな「街」へ」は措くとして、最初の二つを組み合わせたら、というアドバイスをもらう。(「熱海」は埒外ということらしい)(笑)。都立大工学部跡地につくられた「深沢ハウス」は広い緑地空間とビオトープなどを設えて、環境に配慮したデザインになっているが、肝心の住宅棟が19階の高層。周囲の住民と訴訟騒ぎにもなっている、今、話題の物件。しかも、一部が証券化されて、そっちも問題含み。あまり考えなしに、「良質」な住宅っていってるけれど、そもそも「良質」ってなんなのか? という問題提起になればというのが1。しかし、結局、2.でいこうということになった。2.は要するに、日本型「コンパクトシティ」の可能性を考えるというもの。それも、徹底したフィールドワークで。例のWACACS(*)の登場とあいなりそう。というわけで、決まったのはいいけれど、じつはこの企画けっこう大変なのである。来月は、全国取材に東奔西走することになりそうだ。
(*)Walking & Cycling & Assist & Bike & Car Survey = 徒歩及び自力で駆動できるモビリティを駆使して町並み調査を行う集団
(*)Walking & Cycling & Assist & Bike & Car Survey = 徒歩及び自力で駆動できるモビリティを駆使して町並み調査を行う集団