計画技術研究所所長林泰義さんにインタビュー。テーマは「NPOとまちづくり」。今この分野はどんどん動いている。林さんの現在の関心も、「新しい公共性」についてだった。NPO、まちづくり、地域再生、居場所づくりを関係づけていくと、コミュニティ・ビジネスや市民金融、協働という実践の側面からいくつかのキーワードが出てくるが、理論、理念の側でいうと新しい公共性=「公共性の再定義」が重要なキーワードになる。林さんの考えや活動と『談』の特集が期せずして一致した。
そこで、ついでに昨今の流行りである合意形成の議論についてうかがってみた。林さんも、平山洋介さんや立岩真也さんと同意見。合意形成の議論をすることはいいけれど、それを最終的な目的とする議論には不満があるという。まちづくりの分野では、それは行政の側から出てくる場合が多く、要するに早く決着を望む行政の論理として捉えるべきではないかというわけだ。なるほど、そうか。そう考えてみるとこの前取材させていただいた角橋徹也さんが合意形成の議論に強い関心を示していたのもわかる。彼は、やはり基本的には行政の力を信じているのである。大阪府知事選挙に出馬したくらいだから。