『談』no.78で「愉しみ」としての身体……次世代コミュニケーション、遊び/遊ばれる、エコロジカル・マインド」というテーマでインタビューさせていただいた豊橋技術科学大学情報・知能工学系教授・岡田美智男先生に『弱いロボット』を贈呈いただきました。
「(…)ときどき子どもから叩かれもする、ちょっと情けないロボット。自分ではゴミを拾えない手の掛かるゴミ箱ロボット。“ピングー語”で他愛もないおしゃべりする目玉だけのロボット……。いずれも、いろいろな事情も重なってはじめから「役に立つロボット」であることを降りてしまったような「弱い」ロボットたちである。/そうしたロボットたちの少し低い目線から、私たちの振る舞いや人との関わりを丁寧に眺めてみたい。こうした「弱さ」を備えたロボットたちがときどき発揮する、意外なちからを探ってみたい」(はじめにより)
岡田先生がロボット研究を始めたきっかけは、コンピュータと人間との、あるいはコンピュータ同士のコミュニケーションをどう考えるかにありました。そうした問題意識から生まれたのは、意外にもちょっとオバカキャラの、でも、いてくれると楽しいロボットたちでした。そして、そんなロボットたちとつきあっているうちに、さらに驚くことがわかってきたのです。私たちが日々行っているコミュニケーションのほとんどは、他愛もないおしゃべりにすぎなかった! 「役には立たないけれど、ないと寂しい」ものやこと。それこそが、私たちにとってはかけがえのないものやことだったのです。
たばこを含む嗜好品も、考えてみれば「役には立たないけれど、ないと寂しい」もの。岡田先生の「弱いロボット」論は、嗜好品を考えるうえでも重要なヒントを与えてくれそうです。
弱いロボット (シリーズ ケアをひらく)
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