以前『TASC マンスリー』にご登場いただいた玉川大学教授・岡本裕一朗先生と編集者・ライターの斎藤哲也さんから『フシギなくらい見えてくる! 本当にわかる現代思想』を贈呈いただきました。発刊のご案内にもありましたが、この手のガイドブックは少なからず類書が出ているのに、取り上げられている思想家の顔ぶれはどれも同じ。時代が変わってあらたな思想も台頭し、またニューヒーローも出てきているのに、なぜかそうした動向は無視されたまま。そこで本書は、構造主義・ポスト構造主義のフランス現代思想、フランクフルト学派を中心とするドイツ現代思想は押さえながら、英米の正義論、システム論や近代世界システムの社会学を取り込んで、現代思想そのものをアップデイトしようと書かれました。最終章「この思想家を見よ」で、ネグりやバトラー、レッシグ、アガンベンらを取り上げているところに、本書の特徴がよくあらわれています。現代思想と言いながらやや”現代性”に欠けていた現代思想。本書は、旬の思想にスポットをあてることで、現代思想が今も進化し続けていることを私たちに教えてくれるのです。なにを隠そう本書の発行元である日本実業出版社で『哲学・思想コーパス事典』をつくったのはアルシーヴ社でした。それから26年、アップデイトされたのは私だったというわけですね(笑)。
フシギなくらい見えてくる!  本当にわかる現代思想
フシギなくらい見えてくる! 本当にわかる現代思想
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