『tasc monthly』(2007年11月 No.383)で座談会「空間管理社会」にご出席いただいた玉川大学文学部教授・岡本裕一朗先生より新刊『ネオ・プラグマティズムとは何か ポスト分析哲学の新展開』(ナカニシア出版)を贈呈していただきました。
「1979年にローティが『哲学と自然の鏡』を出版して以来、彼の思想は〈ネオ・プラグマティズム〉として注目されるようにな」り、「アメリカ国内だけでなく、世界中に影響を与えるようにな」りました。「今日では、〈ネオ・プラグマティズム〉を無視して、現代思想を語るのは不可能」といいます。ところが、日本には、「〈ネオ・プラグマティズム〉を全体として理解できるような入門書がな」く、ローティ以降の思想となると、ごく限られた専門家が注目するくらい。ならば、自分で書くしかないと一念発起、わが国最初の「ネオ・プラグマティズム」入門書が上梓されたというわけです。
ポストモダニズムが衰退したのを横目に見ながら、ネオ・プラグマティズムは、今、まさに多様な可能性を切り開きつつあるのではないか。その意味で、ネオ・プラグマティズムこそ、ポスト近代へ向けた知の組み換えそのものだと岡本先生は主張します。
本書がきっかけでネオ・プラグマティズムに興味をもった人には、理解を深めるためのブックガイドが用意されています。また、ネオ・プラグマティズムの新展開である「環境プラグマティズム」についても一章割いて論じられているのがうれしい。
ネオ・プラグマティズムとは何か−ポスト分析哲学の新展開−
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