括弧の意味論括弧の意味論
著者:木村 大治
エヌティティ出版(2011-02-10)
販売元:Amazon.co.jp
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『談』no.81 特集「〈共に在る〉哲学」で、「共在感覚」というユニークな概念を披露された京都大学の木村大治さんから、『括弧の意味論』を贈呈していただきました。
括弧とは、『』、「」、()、〈〉、《》、“”など、文中に出てくるあの括弧のこと。あの括弧たちはなぜ多用されるのか、いつから使われるようになったのか、なんのために使われるのか、それよりなにより括弧とはそもそもなんなのか。さまざまな括弧をめぐりながら、人間のコミュニケーションのありように迫るというもの。
冒頭木村さんは、『週刊新潮』(2010年9月9日号)の車内つり広告の見出しを取り上げます。
・「管側近」と「小沢側近」ゴマすり爛丱疊罎
・「ホメオパシー」を持ち上げて叩いた「朝日新聞」
   ↓
・管側近と小沢側近ゴマすりバカ比べ
・ホメオパシーを持ち上げて叩いた朝日新聞
としても、文章的になんの問題もないのに、なぜ使われるのか。余分であるように見えながら、妙に気を引くのが、こうした括弧の存在。
木村さんは、じつは学生の時から括弧の存在が気になっていたといいます。そこで本腰を入れて調べ始めたら、面白いことがたくさんわかってきました。しかも、ご自身の専門である人類学とも大いに関連があるというのです。身近な事例を取り上げながら、一般向けの読物として書き下ろされたのが本書です。
「(…)括弧のもつ働きが、「本流」(とつい括弧をつけてしまうが)の言語学が対象とする書字的な領域を超えて、コミュニケーションという現象のもっとも根本的な機序にふれているのではないか(…)それは、まさに私のこれまでおこなってきた、人と人との相互行為に関する研究の興味と一致している」と木村さん。筆者を含めて、日頃括弧を多用しているライターや著者の先生、なぜ自分は『』や()を使ってしまうのか、一度じっくり考えてみるのもいいのでは、などとちょっとエラそうかな、かっこ、笑、かっことじる、なんちゃって。