某雑誌の編集会議。編集部が出した企画案を検討する。前号同様、コンセプト、ターゲット、コンテンツにブレがあるように思う。言い換えれば、ポジショニング、ストラテジー、オペレーションがブレているのだ。思うに、それぞれの中でブレるのはかまわない。というか、大いにブレるべきだとすら思っている。ブレとは、多様性のことだからだ。しかし、コンセプトからコンテンツまで、つまり、ポジショニングからオペレーションまでの流れには一貫性がないとダメである。これが揺らいでいるとちぐはぐに見える。要するに、「軸がブレる」というやつだ。 ところで、世の中的には「ブレ」はよくないものと思われている。だから、この人は「ブレがないんですよね」と紹介されると、つい、ニンマリしてしまう。しかし、繰り返すまでもなくブレたらなんでもダメというわけではない。むしろブレがあることによって、幅や奥行きがでてくるものもある。ブレていいものとダメなものを、ごっちゃにしてはいけない。コンセプトがころころ変わるのが悪いのではない。コンセプトとターゲット、コンテンツがちくはぐだからまずいのだ。 どういう位置づけで、どういう戦略をもって、どう展開するか。この軸さえきちっとしていれば、それぞれのブレはむしろ強力な武器になる。これ、マーケティングの常識です。