香山リカさんから今月2冊ご著書を贈呈していただきました。一冊は『雅子さまと「新型うつ病」』(朝日新書)。
体調を崩して長期療養に入って既に4年が過ぎた皇太子妃雅子さま。香山さんは、雅子さまの「胸のうちは、精神科医としてだけではなく、ひとりの”働く女性”としても痛いほどわかる」と言い、これほど容易に想像でできてしまうのは、「〈きっと雅子さまってこんなことを考えているのね〉と私たちにも共感できるような人だからこそ、彼女は皇室という特殊な空間にうまく自分を合せることができなくなってしまったのではないか。そしていま、同じように仕事や家族と自分自身との折り合いがつかず、悩みつまずく人が、男女かかわらず激増しているのだ……」。そこで、雅子さまについて、また雅子さまの問題をてがかりにして、「新型うつ病」という新しいうつの問題について考えてみようというのです。もっとも、雅子さんが新型うつ病かどうかはさだかではないようです。しかし、雅子さまの問題を通して、この新しいこころの病いについて考えることで、見えてくることは少なくないというのです。
もう一冊は、『文章は写経のように書くのがいい』(ミシマ社)。月刊でも凄いと思っていたのに、近ごろは「週刊香山リカ」というくらいのハイスピードで「サクサク」本を出す香山さんの、まさに「サクサク」書くための文章読本。さて、その極意はというと、「考えすぎず、表現に凝ったりせず、自分で決めた分量を目指して、とにかく前へ前へ」と書いていくこと。あまりこだわらず、サラサラと自分の気持ちの表面をなぞるように書けば、自ずと自分らしい言葉が生まれる。あの谷崎せんせいも「実用的なもの」ほど最もすぐれた文章と喝破したではないか、と香山せんせいも説くのです。帯にある「「目からウロコ」の「書き方」入門、誕生! 」、当たってました。
雅子さまと「新型うつ」 (朝日新書)
雅子さまと「新型うつ」 (朝日新書)
クチコミを見る


文章は写経のように書くのがいい
文章は写経のように書くのがいい
クチコミを見る