今年で12回目「ルネッサンス・ジェネレーション08 決断なき自由-情動の現代-」に参加する。イントロダクションで、そもそも情動とは何か、なぜそれが今問題になるのか、下條信輔さんが丁寧に解説してくれた。「制御と自由は時間軸上で棲み分けする」というプレディクション/ポストディクションの話は面白かった。池谷先生が言っていた意識より早い発火のことだ。これは、お終いの総合討論で、大澤真幸さんの発言をきっかけに、再び議論になった。しかし、いつものことだけど、タナカノリユキさんは、ぜんぜん面白いことを云わないですね。 田中宇さんは、5年ぶりの参加。陰謀説が再び火を吹く。「対米従属から自由にならないとほんとやばいぞ」って持論を展開。なぜなら、すべては陰謀だから。善悪中毒、アメリカの自滅主義、隠れ多極主義というキーワードで国際関係を読み解く。大いなる誤読かもしれないし、噂の真相かもしれない。ユダヤ陰謀説をはじめ、あまり陰謀理論にはシンパシーがもてない僕でも、田中さんの話は面白い。騙されてみるのもいいかもって、いう感じ?  それにしても、大澤さんが、田中さんが実在していることに驚いたという発言に会場が湧いた。宇という名前が、宇宙を想起するのでネット上のバーチャルな存在かと思ったという。大澤さんって丹生谷さんとの対談でもそうだったけれど、固有名と実在ということに、ものすごくセンシティブな反応を示す。
さて、大澤さん。今回のレクチャーははおそろしくわかりやすかった。自由は本質的に社会現象にすぎない、この極度の閉塞状態のなか(第三の審級の不在の時代)、自由の概念を変換する必要があるという提言は、説得力のある議論だった。自由意思?因果関係という図式は、意外に一般には共有されていないのではなかろうか。時間と意志、時間と自由という切り口から展開できる可能性がありそうに思った。
総合討論で、環境保護の嘘をもっと掘り下げてほしかったが、パンフレットのそのページにIBMが環境の大切さを訴えているのからもわかるように、これはスポンサーへの配慮なのかもしれない。終了後のフロアからの質問には、いつものことながらあきれる。なぜそんなことを聞くのかと思うようなことばかりをみんな質問する。それに、いちおう丁寧に応答するパネリストのほうに頭が下がる。昨年より、10倍くらい面白かった。