恵比寿のart cafe frindsへ。西口から徒歩3分、恵比寿サウスワンビルの地下。ウェイティングバーのある広いスペース。壁には、平面作品やリトグラフなどがかかっている。真ん中の一番前に座る。しばらくするとカメラマンの村田三二さんが来る。今日は彼女の招待だ。池川兄弟のライブ。演奏が始まった。印象は、いたって正当なフラメンコギター。スタンダードナンバーを数曲演ったあと、ドラム、ボーカルそしてダンサーのローラさんが加わる。2部構成。途中休憩時に、店のオーナーと話す。オーナーの本職はプロデューサー。ここは、音楽(ジャンルにこだわらずに)とアートに触れるスペース。90席は余裕。音も悪くないし、かなり使えるハコだ。後半もやはり、ギターのみのインストロメンタルのあと、同じボーカルとローラさんのフラメンコ。演奏は抜群にうまいし、浅田真央似の弟とイケメンの兄は、いいキャラしてた。売れると思う、と僕は太鼓判。でも、ちょっとオーソドックスすぎないか、と思っていたら、アンコールにオリジナルの「兄弟JINGI」を演奏。和とフラメンコの融合。普通に調和している。確かに、オーソドックスなものをやるのとちがって、音がはずんでいるし、勢いがある。オリジナルの強み。村田さんじゃないけれど、こっちの線でもっとやればいいと思う。吉田兄弟の向こうを張るフラメンコギター。今後の展開が楽しみだ。ところで、フラメンコダンサーのローラさん、てっきりスペイン人かと思ったらちゃきちゃきの江戸っ子らしい。彼女のダンス、すごくいいです。コスタデルソルで見た地元のフラメンコダンサーより、断然彼女のほうがキレていた。フラメンコは、歓喜と悲哀が紙一重でエロスへと昇華する。その一瞬間の動き、手の指、足首、首筋、そして腰骨がそれを表現する。ぜひ、また彼女の踊りを見たいと思った。池川兄弟
帰りに、MA2ギャラリーへ。「ゼロの庭」展。勝本みつるさん(『談』の表紙)が出品しているので。勝本さん、布やキャンバスや雑貨を重ねて、その断面を見せる作品。おっ、こうきたか、という感じ。これは面白かった。ただ、今回の白眉は榮水亜樹さんのペインティング。キャンパスを覆う無数の白い点、白い線によって構成された平面作品。白の中の白の中の白、なんていう詩を思い出した。小野瀬裕子さんの針金や布とミシンと糸による作品にも感銘を受けた。このギャラリーは、いつもその企画力に驚かされる。今回もそう。タイトルもいいけれど、作家のチョイスがすばらしい。「ゼロの庭」展