『談』no.65 「〈触〉の臨床」で座談会「日常空間を拡げる…触れることのエコロジー」でお世話になり、また、『TASC monthly』(2000年9月号)に「東京タワー点字化計画「天の尺2000」の試み」をご寄稿いただいた坂部明浩さんから、ご連絡をいただいた。坂部さんは、現在「谷中」にお住まい。じつは、坂部さんは、谷中生まれ、谷中育ちの「やなかっこ」なのだ。谷中銀座商店街の有名店のご主人と同窓生だったり、谷中が舞台になっているろう者の差別に対する奮闘を描いた映画「ゆずり葉」のスタッフとして協力したり、あいかわらず、谷中とはディープなつきあいを続けているらしい。
ところで、谷中というとすぐに雑誌『谷根千』が頭に浮かぶ人は多いに違いない。地域雑誌の草分け的存在として、すでに20年以上の歴史をもつ。この『谷根千』じつは、来年休刊になるのだそうだ。創刊号からの愛読者だった坂部さん、非常に残念がって、『谷根千』関係でひとつ何かやってみようと思い立ち、ぼくのところにご連絡をくれたというわけ。
ぼくも、今から4年前、芸大の片山和俊教授、慶応大学(当時)の日端康雄教授、「谷中学校」運営お助け人椎原晶子さんと、「谷中」まち歩きをした。生活と観光を両立させ、地域資源として育てていくことは可能か、というちょっと高邁なテーマを掲げて、墓地から墓地へ、路地から路地へと歩き回ったのだった。
そんなわけで「谷中」とは、ぼくもちょっぴり関わりをもっている。坂部さんの話が面白くないわけがない。すぐに、「ぼくでできることなら協力しますよ」と二つ返事。それで、話はとんとん拍子で進んでいき……、おっと失礼、これはまだナイショでした。とにかく、坂部さんに、何かをやってもらうことになったのです。今後おいおいお伝えしていきます。とりあえず「刮目して待て」。