焼きそばでまち起こしをする富士宮へ。東京は天気だったのに雲行きが怪しくなってきた。富士宮駅に降りるとぽつぽつくる。まず富士急東急ホテルに荷物を預ける。タクシーで浅間大社へ。とりあえずやきそばを賞味しようと、中華料理店「瓔珞」へ。ちゃんとありました。麺は硬め。ウスターソース、いわしの粉、七味唐芥子など好みでかける。確かに、普通店で食べるのとは違う。浅間神社の入り口にあるやきそば店を覗き、写真を撮らせてもらう。
13時よりやきそば学会会長渡辺英彦さんの取材。学会といっても学術学会でも、もちろんあっちの学会でもない。焼きそばの普及・発展につとめる任意団体だ。渡辺さん、著書でもインタビューでも、あまりにオヤジキャグ、ダジャレがすぎるので、カルイ人かと思ったら、ぜんぜんそんなことはかった。自分の立ち位置を自覚しながら、けっこうまじめに、戦略的に考えている人だった。
取材のあと、お宮横丁の学会の直営店で焼きそばを賞味する。鉄板焼きで焼くのを見る。富士宮の産のそばに、肉カス、いわしの粉、ウースターソース。これがメイドイン富士宮の焼きそばのベース。ここのは、麺がもちもちしている。ソースも学会のお墨付き。端麗辛口の冷が合うという。なので、大吟醸ならぬ、「だいびんじょう」で1杯やりながら。この酒、学会が富士宮の清酒メーカーにつくらせたもの。大吟醸にあやかって、「一種の便乗品です」ってまたしてもオヤジギャグ。しかし、「だいびんじょう」さすがにベスト・マリアージュだ。
普段は賑わう広場も天気が悪いためか、人影もまばら。それでも、何人かグループのお客さんがきたところで撮影をする。ぶらぶらと通りを歩く。渡辺さんご推薦の、駄菓子屋系の焼きそば店「うたちゃん」に入る。おかあさんが二人でやっている店。14年前に開業した。となりに小学校があるので生徒さんも来るのかと尋ねると、父兄同伴以外は禁止になったという。
ここのは、肉かすもベニショウガも手作り。肉かすをつまみにビールを飲む。さすがにお腹がいっぱいになった。ぶらぶら一駅分歩いてホテルに帰る。夜19時再び「つぼ半」へ。昼間最初に寄ったのだが、終っていた。ちょうどおかみさんが出てきて、「ごめんね、中見ていく?」とわざわざかぎを開けてくれて(というかぼくが開けて)、中を見せてもらう。それで、夜来るね、と伝えておいたからだ。
店は学生さんでいっぱい。ここは、各テーブルに鉄板があって(50年使い続けているらしい)、そこにザルに入れた麺と野菜を持って来て、おかみさんが焼いてくれる。すぐ焼き上がったが、撮影とまだお腹が減っていないので、躊躇していたらどんどん火が入って、すごく硬くなった。それでも、なんとなく懐かしい味がぼくにの口には合いました。というわけで、本日朝、昼、おやつ、晩と4食焼きそばづくしの一日だった。