香山リカさんから新刊『キレる大人はなぜ増えた』(朝日新書)を贈呈していただいた。じつは、昨年末にも『おとなの男の心理学』(ベスト新書)を送っていただき、あいかわらず月刊「香山リカ」状態が続いている。
「「すてきな年の重ね方をしている男性」はいそうでいない」「「まだまだ若い」と思っているうちに、本当の意味での「おとなの男」にもなれないまま、自分でいくら目を背けても「老い」や「衰え」が忍び寄って来ている」と、いきなり軽るくジャブをくらわせておいて、結局のところ、いちばん変化に弱いこころの持ち主こそ中年・老年の男性ではないかと、最後はアッパーカットでわれわれ男性陣をマットに沈めるのだ。とはいえ、『おとなの男の心理学』は、それで最後に笑うのは女だ、というわけではもちろんない。香山先生は、そうならないためには、老いを素直に受け入れて、もっと「老いを愉しもう」ではないかと励ましてくれるのである。本当の意味での「おとなの男」になるための秘訣を伝授する。
『キレる大人はなぜ増えた』は、まさにタイトルどおりのキレる中高年が、なぜ増えてきているのかを、こころの側面から解き明かそうというもの。その病理性を分析するだけではなく、むしろ、キレざるをえない、キレなければ生き残れない社会の病理を問題視する。そして、本書も「キレないための処方せん」をわれわれに示してくれる。
キレる大人はなぜ増えた (朝日新書 90)

おとなの男の心理学 (ベスト新書 166)