乃木坂のギャラリー「ART UNLIMITED」で写真家・伊奈英次さんの展覧会。81年の「in Tokyo」から06年の「Watch」まで。ちいさな回顧展といったところ。こうして通してみて見ると、それぞれのテーマに一貫性はないものの対象への向かい方、視線には、がんこなまでのこだわりが感じられる。前から言っていることだが、どんなにフォトジェニックにみえても、そこに出現する写像には、現代という時代の相が映し出されている。社会批評としての写真を、美意識に寄り添いながら丁寧につくりあげる彼の手法は、今や「カタ」の域に達している。その「カタ」を、ぼくは眼でなぞるように、繰り返し繰り返し見るのだ。
ところで、「ART UNLIMITED」では、12月に荒川修作の個展をやるとのこと。倉庫に眠っていたネオダダ時代の彫刻作品が偶然発見された。それを、1年がかりで修復、当時とまったく同じ状態で展示されるのだとそうだ。そんなうれしい話をギャラリー社長の高砂三和子さんから聞いていたら、荒川さんの事務所ABRFの本間さんと松田さんが現れた。三鷹の「天命反転住宅」に事務所を構えておられるので、見学のお願いをしたところ、快く承諾してくれた。有志を募って、見学会を催すことにしよう。