神谷町の虎ノ門パストラルへ。TASCの助成研究報告会。会場はほぼ満員。驚いた。トップバッターは藤原辰史さん。「再生産される〈生命空間〉」(『談』no.75所収)でインタビューさせていただいた京都大学人文科学研究所助教。助成研究のテーマは「台所のナチズム ナチスの食生活と〈無駄なくせ闘争〉」 。「ナチスのむき出しの女性蔑視、男性中心主義にもかからず、なぜ主婦は、戦争に動員されたのか。食生活の中心に位置する台所という場から問う」という斬新な研究。食の内実が均質化し、主婦の人間性剥奪されるかわりに、台所という場が、あたかも生命をもった有機体のようになる。ナチズムの本質にある自然志向が、今回の発表からいっそう明らかになった。「生-権力」の問題をしつこく追っかけてきた『談』としては、いいヒントをもらったように思った。これまで、研究発表会なるものにほとんど出席したことがなかったが、活発な議論が交わされていて、正直びっくりした。助成する限りは、厳しいジャッジは当たり前か。僕もがんばらなくては。JTとも関わりができたので、会場で挨拶する人が増えた。

中座して、中目黒へ。『談』のデザイナー河合君と待ち合わせて写真家の神山貞次郎さんの事務所へ。目黒側沿い。3Fに黒い猫ちゃん。さっそく写真をみせてもらう。最近上杉満代さんの舞台を撮ったんだけど見る?とおっしゃるので 拝見する。これまでの神山さんの写真とはちょっと違う感じ。しかし、これがいいのだ。河合君も閃いたらしく、3点すぐに決まった。これで、ヴィジュアルも揃ったし、あとはeditor's noteだけだ。で、明日がその企画会議。